ブックジャーナリスト
1969年生まれ。約30年の書店員勤務を経て2020年よりフリーに。 文芸書ジャンルを中心に各種媒体でのレビューや学校図書館などで講演やPOPワークショップを実施。NPO本屋大賞実行委員会理事で設立メンバーのひとり。POP作成を趣味として書いたPOPは4000枚以上。著書に『POP王の本!』(新風舎/絶版)がある。
2020/10/02
『百年と一日』筑摩書房 柴崎友香/著 なんと豊穣な文学世界なのだろう。読みながら何度ため息をついたか分からない。改めてこの作家の視線の確かさと表現力の逞しさを実感させられた。正直なところお手上 […]
2020/07/16
『家族じまい』集英社 桜木紫乃/著 桜木紫乃の描き出す文学は、土地の匂いを全編から漂わせる。人が生まれるずっと前から足下にある大地は存在する。どんな場所にも地霊があり人々の営みも地層の一部とし […]
2020/06/25
『水を縫う』集英社 寺地はるな/著 寺地はるなは本物だ。不安や不穏な空気に満ちて閉塞感の溢れたこの時代の空気を存分に吸いこんで、重苦しいけれどもどこか希望の光を感じさせる。この世の象徴とも言え […]
2020/05/22
『あとを継ぐひと』光文社 田中兆子/著 実に魅力的な作品だ。何よりもまずテーマがいい。この世は変わりゆくものと全く変わらぬものとで出来ている。例えばいい書店はいつも変わらぬ定番の書棚と鮮度の高 […]
2020/04/27
『女神のサラダ』光文社 瀧羽麻子/箸 2007年『うさぎパン』でデビューしてからずっと追いかけていたが、瀧羽麻子の醸し出す透明な空気感が好きだ。決して揺るがない品性もあるし読者の気持ちを前向き […]
2018/08/22
『神に守られた島』講談社 中脇初枝/著 本当に素晴らしい本に出合った時はその感想を問われてもまったく言葉にならない。いかなる想いを綴っても読後の印象を言い当てるどころか核心から遠ざかってしまうのだ。我が語彙 […]
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