巨人軍の2010年代をプレイバック【2016年】菅野・坂本という投打の「顔」が大活躍した高橋由伸政権1年目
お股ニキ(@omatacom)の野球批評「今週この一戦」

ryomiyagi

2020/05/27

新型コロナウイルスの影響で、開幕の見通しが立たないプロ野球でしたが、ついに6月19日に開幕が決定!
そこでプレイバック企画として、お股クラスタの一人、ゴジキ氏(@godziki_55)に2010年代の巨人軍を振り返ってもらいました。

 

 

2016年
シーズン成績:71勝69敗3分 勝率.507 2位
ポストシーズン成績:CS 1st 1勝2敗

 

2016年シーズンからは、前年に現役を引退した高橋由伸氏が監督を務め、広島との優勝争いの末、2位という成績に終わった。前年と同じ2位でこそあるが、首位広島からは17.5ゲームの大差をつけられた。最大の要因が得失点差の差にあったことは間違いない。広島は187点(得点684点、失点497点)に対して巨人はマイナス24点(得点519点、失点543点)であり、シンプルに攻守双方で差をつけられてしまった。

 

主な選手を見ていくと、エースの菅野智之がボールの強度やクオリティをさらにレベルアップさせ、9勝6敗 189奪三振 防御率2.01で最多奪三振と最優秀防御率を獲得した。
坂本勇人もキャリアハイとなる打率.344 23本 75打点 OPS.988の成績を残し、セリーグの遊撃手としては史上初の首位打者や最高出塁率、キャリア初のゴールデングラブ賞を獲得。攻守における巨人の「顔」である両選手が飛躍した年でもあった。

 

さらに、田口麗斗も高卒3年目ながら規定投球回数到達と二桁勝利を含む、10勝10敗 防御率2.72の成績を残してローテーションの2番手クラスまで成長を見せた。

 

投手陣では、菅野、田口以外もスコット・マシソンが最優秀中継ぎ賞を獲得し、2015年からクローザーを任されていた澤村拓一も最多セーブを獲得した。また、田原誠次が自己最多の64試合に登板し、宮國椋丞も中継ぎとして自己最多のホールドを挙げた。さらに、オープン戦で不調や故障があった内海哲也も、序盤から飛ばしていく投球スタイルで試合を作っていき、2014、2015年をこえる9勝を挙げた。

 

しかし、長年救援陣を支えてきた山口鉄也の衰えは成績にも反映され始め、マシソンと澤村以外に計算できる中継ぎがいない状態のシーズンであった。また、2015年のシーズンで先発ローテーションを担っていたマイルズ・マイコラスは右肩痛で出遅れ、アーロン・ポレダも左脇腹痛で離脱。高木勇人もストレートと変化球の腕の振りのクセの違いなどを見抜かれ、好不調の差が激しかった。

 

野手陣は、坂本の他に村田修一が143試合フル出場し、打率.302 25本 81打点 OPS.859の活躍。ベストナイン、ゴールデングラブ賞を獲得した。また、新外国人のギャレット・ジョーンズも打率.258 24本 68打点 OPS.813の成績で、チームの左打者の中では唯一の規定打席に到達し、20本塁打を達成した。近年衰えが見えていた阿部慎之助は、規定打席には達しなかったものの自己最長の 23試合連続安打を含む打率.310 12本 52打点 OPS.850の活躍を見せた。小林誠司は初の開幕スタメンタスクを被り、正捕手としてシーズンを通して出場した。初の規定打席に到達し、打率は.204に終わったものの、盗塁阻止率はリーグトップの.356を記録した。
2015年から思うような打撃を残せていなかった長野久義は打率.283 11本 42打点 OPS.729という成績で、打率は2015年より向上したが、本塁打と打点は自己最低に終わった。また、ロッテから新加入したルイス・クルーズも出場試合数が81試合に終わり、期待に応えることはできなかった。

 

【主な先発陣】

 

菅野智之 9勝6敗 183回1/3 防御率2.01
田口麗斗 10勝10敗 162回 防御率2.72
マイコラス 4勝2敗 91回2/3 防御率2.45
高木勇人 5勝9敗 117回 防御率4.31
内海哲也 9勝6敗 107回1/3 防御率3.94
大竹寛 6勝6敗 91回1/3 防御率3.55

 

【主な救援陣】

 

山口鉄也 63試合 1勝6敗20H1S 防御率4.88
澤村拓一 63試合 6勝4敗10H37S 防御率2.66
マシソン 70試合 8勝4敗41H1S 防御率2.36
田原誠次 64試合 6勝4敗18H 防御率3.64
宮國椋丞 34試合 4勝1敗10H 防御率2.95
西村健太朗 27試合 0勝0敗2H 防御率3.21

 

【主な野手陣】

 

坂本勇人 打率.344 23本 75打点 OPS.988
村田修一 打率.302 25本 81打点 OPS.859
長野久義 打率.283 11本 42打点 OPS.729
小林誠司 打率.204 4本 35打点 OPS.545
阿部慎之助 打率.310 12本 52打点 OPS.850
ギャレット 打率.258 24本 68打点 OPS.813
クルーズ 打率.252 11本 37打点OPS.690
亀井善行 打率.252 3本 23打点 OPS.641
橋本到 打率.233 2本 20打点 OPS.635

お股ニキ(@omatacom)の野球批評「今週この一戦」

お股ニキ(@omatacom)(おまたにき)

野球経験は中学の部活動(しかも途中で退部)までだが、様々なデータ分析と膨大な量の試合を観る中で磨き上げた感性を基に、選手のプレーや監督の采配に関してTwitterでコメントし続けたところ、25,000人以上のスポーツ好きにフォローされる人気アカウントとなる。 プロ選手にアドバイスすることもあり、中でもTwitterで知り合ったダルビッシュ有選手に教えた魔球「お股ツーシーム」は多くのスポーツ紙やヤフーニュースなどで取り上げられ、大きな話題となった。初の著書『セイバーメトリクスの落とし穴』がバカ売れ中。大のサッカー好きでもある。
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