akane
2019/07/30
akane
2019/07/30
この業界で働く人は、元々アダルトが好きで入社した人と、偶然、タイミングがあって働くことになった人に分かれます。
わたしの上司・松葉さん(仮名)は後者で、仕事として割り切って働くタイプ。元々は金融関係の営業マンで、特段AVが好きというわけではなかったみたいです。この会社に入った理由は、「営業職で、一番最初に採用してくれたから、なんとなく」だそうです。理由、軽いな。
エロに対しての興味は薄い上司ですが、営業という仕事に対しては考えがあるようにわたしには見えます。データを出して案内する、他社商品と比較する、写真を見せながら話すといったテクニックは彼から学びましたし、今でも新しい仕事をするたびに勉強になることはあります。
先日、店舗への提案を相談した際、「自分が店をやっていたとして、営業にどう言われれば導入するか?」と質問を返され、ハッとしました。営業をする以上、取引相手にとってメリットがあるように提案しなくてはいけない。相手の立場に立ち、相手の利益を考える視点は参考になります。
「モノがエロなだけで、普通の仕事だよ」と上司はよく言います。わたしもそう思います。外側からしたら「エロいことしてそう」「珍しいことしてそう」と見えるかもしれません。だけど、基本は、商品を学んで、トークを考え、営業提案するというありふれた営業の仕事です。商品が特殊というだけで、あとは、ほかの営業職となにも変わりません。むしろ、「商品が特殊だから」を隠れ蓑に、営業としてしなくてはいけないことを疎かにしてはいけない。
当たり前のことを当たり前にできないと「この営業はダメだ」と、わたし自身が軽くみられるだけでなく、「女性営業はダメだね」というような偏った見方にもつながってしまいます。女性の営業が少ないからこそ、わたしが悪いと「女性はダメだ」という見え方につながってしまう。だからこそ、営業として取引先とのやり取りを蔑ろにしてはいけないと、感じています。
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