2018/10/05
佐伯ポインティ エロデューサー
『どうぶつのおちんちん学』 緑書房
浅利昌男/監修
おちんちんの造形が好きだ。
おっぱいや、お尻よりも、おちんちんが好きだ。
僕は同性愛者ではない。おちんちんの造形を愛しているが、男性らしさを伴った肉体は、あまり好きではないのだ。
これまでの人生で2度ほど、幸運なことに男性と身体を重ねる機会があったが、ヒゲはキスしているとゴツゴツしたし、骨格は硬すぎた。女性の身体の方が、ふっくら柔らかくて気持ち良い。
だが、おちんちんは別だ。
温かくて、少し固くて、真っ直ぐで、なんというか……素直でいい子なのだ。
炊きたてのお米、とか、赤ちゃん、とかに近いものだと勝手に思っている。
人によって色々な形があるのもいい。僕はマナーのない人間なので、公衆トイレや銭湯でなるべく他人のおちんちんを見させて頂いているのだが、やっぱり人それぞれで、面白い。
造形も好きだが、おちんちんの仕組みもまたアホらしくて好きだ。
「興奮すると大きくなる」って仕組み、そんなんある!?おちんちん半端ないって!!!という気持ちだ。
そんな僕は、『どうぶつのおちんちん学』という本をツイッターで知った時、すぐさま、この「本がすき。」のレビュー担当者に連絡した。このレビューを「またヤバいの来ましたね、OKです!」と快諾してくれる光文社の担当の方は最高である。
『どうぶつのおちんちん学』。
タイトルからビンビン伝わってくる、“おちんちん好き集まれ”感。
でも、なぜメスの性器もふくめた「どうぶつの下半身学」ではなく、オスの性器ばかり取り上げているのか?もしかしてちょっと差別的なのかしら……という不安もありつつ、読み始めたのだが、「はじめに」を読んですぐわかった。
動物のおちんちんの多種多様な造形は、進化の結果であり、シンプルに“面白いから”取り上げてるのだ。
獣医解剖学・繁殖学などの専門家による学術的な解説も交えつつ、犬、猫、豚、牛、馬、ウサギ、ゴリラ、クジラ、トカゲ……種々の動物のおちんちんの構造、勃起のメカニズム、交尾の種類が説明されている。
タイトルから想像するより、かなりアカデミックな内容で、中高の生物の授業を思い出したのだが、読んでいくにつれ、動物たちのおちんちんの面白さ、そして奥深さを知る旅となった。
例えば……
・シロナガスクジラのおちんちんは2.5メートルある。
・ワニのおちんちんは、常に勃起していて、普段はしまい込んでる。
・トカゲやヘビのおちんちんは、2本ある。しかも交尾の時は1本しか使わない。
・馬や豚の精液の中には、水分を吸うと大きくなり膣の“栓”となる物質が含まれてる
・牛の精液を採取するとき、射精するまでに焦らすと、精液量と精子数が50%増加する。
などなど、動物ごとに本当におちんちんは多様だ……と思わされることの連続である。
帯には「おちんちんは進化の不思議の玉手箱!」と書いてるのもジワジワくる。(彦麻呂?)
読み進めて他の動物たちと比べていくうちに、いかに人類がセックスを楽しんでいる種族なのか、ということを、かなり意識させられる。この本には書いていなかったが、かなり群を抜いてセックスを大事にしてる動物なんじゃないか、人類。
動物のおちんちんの多様性、そして交尾の多様性。
それらを感じながら、同じ動物として、自分の性にも思いを馳せやすい本だ。ビバ、おちんちん。
『どうぶつのおちんちん学』 緑書房
浅利昌男/監修