「なぜ日本は無謀なアメリカとの戦争を始めたの?」 受験生&親は必読! 近現代史 最速×ざっくり解説(3)
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ややこしい近現代史も、逆から読めば一気に理解できる!

 

『日本史は逆から学べ 近現代史集中講義』(光文社知恵の森文庫)の著者で『世界一受けたい授業』(日テレ系)の日本史講義などでもおなじみ、河合敦先生による最速×超ざっくり近現代史講義(全6回)。日本の近現代史を、「なぜ?」「どうしてそうなったのか?」と一問一答形式でさかのぼり、因果関係を分かりやすく解説していきます。

 

第3回目は、太平洋戦争からスタートです!

 

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Q1)なぜ日本は、アメリカとの無謀な戦争を始めてしまったのか? 
→戦争回避のための日米交渉が決裂してしまったからです。

 

Q2)なぜ戦争回避の日米交渉をおこなうほど日米関係が悪化したのか? 
→日本がドイツの連勝に期待して日中戦争を継続し、東南アジアへも進出(南進)したからです。日本政府は日独伊三国軍事同盟を結び、アメリカを仮想敵国とし連携を図りました。アメリカは激怒しましたが、日本はドイツの連勝に自国の利を見出し、同盟を結び東南アジアに侵攻したのです。

 

Q3)なぜ日本は東南アジアへも進出するようになったのか? 
→米英などが中国を支援したため、日中戦争は長期化(泥沼化)します。このため戦争を続けるためには国内の資源だけでは足りなくなってきました。そこで東南アジアの資源に目をつけたのです。

 

Q4)なぜ日中戦争は泥沼化してしまったのか? 
→これは時の首相・近衛文麿が国民政府との外交チャンネルを完全に絶ったからです。『国民政府を対手とせず』という有名な近衛声明は絶交宣言といってよいでしょう。さらにその後、米英などが中国を支援したことで、日中戦争は泥沼化していきます。

 

Q5)なぜ日中戦争は起こったのか? 
→日本国民が戦争を支持し、蔣介石の国民政府が日本と徹底抗戦すると宣言したからです。

 

Q6)なぜ蔣介石は日本と徹底的に戦う決意をしたのか? 
→満州軍閥・張作霖の息子である張学良らが、蔣介石に共産党との内戦を停止し抗日することを決意させたからです。当時の中国では、蒋介石率いる国民党と中国共産党が内戦状態にありましたが、張は蒋介石を監禁し、抗日のための内戦停止を説得しました(西安事件)。

 

Q7)なぜ張学良らは蔣介石に内戦を停止し日本との徹底抗戦を求めたのか? 
→中国に駐留する日本軍や満州国の関東軍が華北にも侵出するようになったからです。このため同じ中国人同士が争っている場合ではないと考えたのです。中国の国民の多くも抗日を望んでいました。

 

Q8)なぜ日本の軍部は、華北にまで侵出するようになったのか? 
→満州事変をめぐって国際連盟から脱退したことで制約がなくなったからです。国際連盟は満州国を日本の傀儡国家であるとし、関東軍の撤退を求めました。日本はこれに反対し、国際連盟を脱退しました。

 

Q9)なぜ日本は国際連盟から脱退できたのか? 
→日本国民の圧倒的多数が軍部や関東軍の行動(満州事変)を支持していたからです。

 

Q10)なぜ国民の多くは軍部を支持するようになったのか? 
→汚職を繰り返し、経済を好転させられない政党内閣に失望したからです。度重なる恐慌(戦後恐慌・金融恐慌・世界恐慌・昭和恐慌)から不景気にあえぐ国民は、満州という広大な土地が手に入れば日本経済は好転すると信じ、軍部の行動を支持しました。

 

次回「政党内閣制は、なぜ日本で定着していったのか?」に続きます!

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日本史は逆から学べ 近現代史集中講義

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河合 敦 (かわい あつし )

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