akane
2018/12/14
akane
2018/12/14
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外国へ行くと、警察官が馬に乗ってパトロールしているのを見かけることがある。たとえば、アメリカのシアトルでは、マリナーズの本拠地セーフコフィールドに、騎乗の警官が現れる。
しかし、日本で、馬に乗った警察官を見かけることはない。日本の警察には馬はいないのかと思ったら、警視庁には交通機動隊騎馬隊があり、現在十数頭の馬を飼っている。
ふだんは世田谷区の馬事公苑にいて、おもな活動は、交通安全教育への出動で、小学校などで行われる交通安全教室や、交通・防犯パレードなどに参加している。アメリカのように、パトロールに利用されることはないそうだ。
ちなみに、その馬たちはサラブレッドで、もとは競走馬。中央競馬会から寄付された馬である。
新聞社では、新人記者はまず地方支局へ配属され、「サツ回り」と呼ばれる警察担当に回される。新人記者がこのコースをたどるのは、取材技術を身につけるのに、警察が扱う事件・事故がもっとも適した〝教材〟だからである。
犯罪がらみの取材では、絶対に人名や地名を間違えることはできない。また、その事件や事故が締め切り時間が迫っている時間帯に起きれば、限られた時間の中で仕事をこなさなければならない。正確で迅速な取材を学ぶには、格好のトレーニング場なのである。
また、事件取材のためには、刑事課や交通課などにまめに足を運んで捜査幹部や刑事たちと親交を深めておく必要がある。こうした努力が、いざというとき、情報入手に役に立つということも、身をもって体験することができるというわけだ。
辞書によると、「政府」とは「日本では、内閣及び行政機構を指す」とある。日本政府の要は「内閣」であり、内閣があるところが日本政府といっていいように思える。
しかし、この内閣の場所がはっきりしない。日本国憲法第六六条には、内閣は「その首長たる内閣総理大臣及びその他の国務大臣でこれを組織する」とある。要するに、内閣は首相と各大臣によって構成される合議体であり、特定の建物に入っているわけではないのだ。
内閣の会議である「閣議」は首相官邸で開かれるが、ふだん各大臣は各省庁舎にある大臣室などにいて、首相官邸に出向くのは閣議が開かれるときくらいである。
というわけで、日本政府の位置を「住所」として特定するのは難しい。日本政府の位置は漠然とはしているが、それが内閣と行政機構の集合体である意味では、首相官邸と各省庁(行政機構)が立ち並ぶ霞が関一帯にあるといっていいだろう。
各自治体では、駅前に乗り捨てられる放置自転車をときどき回収してまわっている。そして、三カ月程度の保管期間中に持ち主が現れない場合は、それぞれの方法で処分している。
処分方法は、あっさりクズ鉄にしてしまう自治体もあれば、修理して市民に払いさげているところもある。
最近、すこしずつ増えているのは、海外に寄贈するケースだ。経済協力の一環として放置自転車を途上国に贈っているのだ。
たとえば、横浜市では以前、中米のドミニカ共和国に二〇〇台の放置自転車を贈った。ドミニカでは、郵便配達もほとんど徒歩で行われているため、贈られた自転車は、郵便局員たちの貴重な足として重宝されたという。
クズ鉄にするよりは、はるかにいい方法と思えるが、ネックになるのは途上国までの送料。これは自治体の負担となる。無償のプレゼントだから、数を増やしすぎると、自治体財政がパンクするという。
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以上、『教養が身につく!雑談力がUPする!雑学百科』(光文社知恵の森文庫)を一部改変して掲載しました。
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