「ひとり」行動しても、周囲に「好意」は示そう
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精神科医・水島広子先生の最新刊『続「他人の目」が気になる人へ ~ひとりがラクになるヒント~』より、一部を抜粋してご紹介します。
「他人の目」から自分を解き放ち、「ひとり」でも心地よくいるためのヒントが満載です!

 

 

大人の社会は、中学校ではない

 

「群れなければ干される」という不安がわき起こってきたら、「自分は大人になったのだ」ということを思い出しましょう。もうここは中学校ではないのです。大人なのだから、ひとりで行動しても、せいぜい「ちょっと変わっている」「ひとりが好きみたい」と思われるくらいで、いじめられたりはしないのです。

 

仮に干されたとしても、自分の仕事に支障がない限り、そんな人たちのご機嫌をとる必要はありません。仕事に支障を来きたすようであれば、信頼できる上司などに相談して、道を開いていけばよいでしょう。

 

挨拶、助け合い――、普段から好意を示すことは大切

 

ただし、「一緒に行動しない」ということと「好意を示さない」ということは別物です。一緒に行動しない場合、相手によっては「私たちのこと、嫌いなのかしら」「私たちのことをバカにしている?」などと疑念を抱く人もいます。

 

ですから、普段から挨拶などはきちんとして、愛想よくしたり、困ったときに助けてあげたりしておくことは重要です。そうすれば、少なくとも「嫌っているわけではないのだ」ということがわかり、いじめにはつながらないでしょう。

 

相手の心が自分に対して閉じている、相手が自分を人間として尊重していない、と感じるときに、いじめは起こりやすいのです。

 

媚びてもいじめられる、というケースがありますが、他人に媚びるとき、私たちの心は開いていないし、本当の意味で相手を尊重していない(媚びれば上機嫌になる程度の人だと思っている)と言えます。

 

「中学生レベル」の価値観を引きずった大人も確かに存在する

 

「中学生レベル」の価値観を引きずった大人も確かに存在します。

 

しかし、それが多数派なのではない、ということはわかっておいていただきたいと思います。

 

「クラスの中で友達とうまくやっていくこと」が至上命題の中学生とは異なり、大人は、私生活でも社会生活でも、忙しく、いろいろな「目的」を持っているのです。

 

また、大人は、決まった中学校に通わなければならないわけではなく、いつでも異動や転職の自由があります。

 

「もう自分は無力な子どもではないのだ。自分が思った通りの人生を描いていけるのだ」ということは常に頭に置いておいてください。

 

「ひとりで行動できる」ことは、「本当の大人」として生きるということ。

 

「社会人になったのだから、仕事を頑張らなければ」と思うのと同じように、

 

「社会人になったのだから、ひとりで行動できるようにならなければ」と考えてもよいでしょう。

 

もちろん、他の人と一緒に昼食をとってはいけないということは全くありませんし、複数で行動したほうが楽しいときはそうすればよいでしょう。

 

ただ、それは「自分にとってそのほうが楽しいから」であって、「そうしないと暗いと思われるから」ではないのです。

 

※この記事は、『続「他人の目」が気になる人へ』(水島広子)をもとに作られました。

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水島広子(みずしまひろこ)

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