「ステイホーム」で真の勝ち組になったのは“山奥ニート”なのではないか?
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ryomiyagi

2020/05/12

 

“山奥ニート”が暮らす住居のリビング

 

コロナ禍で「ステイホーム」が叫ばれる今、家にこもる日々が続き、ストレスが積もりに積もっている人も多いだろう。

 

こんなときに強いのが「ステイホーム」の最上級スキルを持つひきこもりやニートたちだ。

 

中でも、感染者が拡大する都会からもっとも遠い場所=山奥で暮らすニートは最強の部類に入るのではないだろうか。

 

『「山奥ニート」やってます』(石井あらた著・光文社)によると、“山奥ニート”が暮らす和歌山の限界集落は、最寄り駅から車で約120分を要するところにある。

 

満員電車をはじめとする「三密」とは真逆の、のどかすぎる過疎の村。

 

住居は、廃校となった小学校をタダで借りている。

 

この辺鄙な場所で15人の集団生活を送るニートたちの、とある一日を見てみよう。

 

山奥ニートの一日は、午前11時くらいから始まる。
午前中はほとんどのニートたちにとって、就寝時間である。
大半の山奥ニートたちはこの時間、じっとりと湿った、腐葉土のような布団の中にいる。
(略)
朝食とも昼食ともつかない食事を終えると、ギターを弾いたり、鶏を散歩させたり、洗濯機を回したり、なんとなくで日中を過ごしてしまう。
畑に行って水をやったり、家の改修工事をしたりする人もいる。
(略)
晩ごはんが完成すると、グループチャットでしらせを送る。
食事の時間も決まっていない。
ゲームに夢中で、深夜になるまで部屋から出てこない人もいる。
晩ごはんを食べに来た人は、そのまま酒を飲んだり、一緒に映画を見たり、ボードゲームで遊んだり、好きにする。
話したくない気分の人は、自分の部屋に帰る。
(略)
リビングで夜通し猥談にふけることもあるし、ひとりでマンガを読んでいるうちに朝になっていることもある。
(略)
山奥ニートの一日は、沢から引く水が庭の手洗い桶に流れる音を聞きながら布団に入って終わる。
明日の予定も、何ひとつない。起きてから決めよう。

 

これが、何もないときの一日の過ごし方だそうだが、実際は何もないときのほうが少ないという。15人もいれば、どんなことだってイベントになるからだ。
よく晴れた夏の日は川で泳ぎ、話題の映画のネット配信が始まればプロジェクターで上映会。台風で停電になれば暗闇の中でボードゲーム大会、かわいがっていた鶏がイタチに襲われれば悲しみながら墓を作る……。

 

歳を取るほど一年が早く過ぎるというけど、あれは嘘だ。
ここでの5年は、僕にとっては小学生のときと同じ密度だ。
山奥だし、ニートだけど、全然退屈しない。
(同書より引用)

 

必要な娯楽を自分たちで作り出せる環境だから、ひきこもっていても退屈することはない。

 

「三密」な環境とは無縁だが、時間の密度は高い暮らし方。

 

今、そんな“山奥ニート”の暮らし方が一種の勝ち組と言えるのかもしれないと言ったら、それは大げさだろうか。

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「山奥ニート」やってます。

「山奥ニート」やってます。

石井 あらた

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