ryomiyagi
2020/10/23
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2020/10/23
ITと野球。堀江貴文と野村克也。まったく異なる分野で活躍する、まったく違う人物。だけど、共通点ならある。しかも、分かりやすい。それは「好きなこと」をとことん追求するという生き様だ。なにかに夢中に打ちこむことが成功の秘訣だとしたら、活躍する舞台は違うのに成功している理由も納得がいく。
多くの人にとって、人生のなかでもっとも多くの時間を投入するのは「仕事」だろう。仕事を「娯楽」で「趣味」で「エンターテインメント」だと語る堀江氏。好きなことを仕事にできたら、と思ったところで、これがなかなか難しい。堀江氏は、「遊びを仕事にして生活費として稼げるのは一部の才能ある人のみ」という意見にたいして、技術革新の進んだ現代なら「「好きなことを仕事にして生きていく」ことは、昔に比べて必ずしも難しくはない」と語っている。
54年にプロ入りし、現役選手として通算27年3017試合、プレーイングマネジャーを含め監督として通算24年3204試合、野球一色の人生を送ってきた野村氏もまた、「好きなこと」を仕事にしている人物だ。「寝ても覚めても、野球に恋してきた」そんなふうに自分の仕事を話すことができる人は幸せだ。
しかし、好きなことを仕事にするためには創意工夫が必要らしい。たとえば、堀江氏は自分の苦手なことは他人に任せてしまうのだという。いかに優れた人でも、知恵や技術には限界がある。自分の力の及ばないことは、失敗を招きかねない。苦手なことに頭を悩ませるくらいなら、プロ(適材適所)に任せてしまおう、との考えからだ。
「すべての仕事に全力で臨まなければ、相手に失礼だ」という日本人の国民性をよく現した考え方も、成功の足を引っ張ってしまうという。田中将太(=現・ヤンキース)選手も、全力投球するのはピンチの時だけだとか。
「1回から9回まで、4番打者にも9番打者にも全力投球していたらさすがに疲れてしまいます。ほとんど打てない9番打者に全力投球をして、肩ヒジを壊して手術に至ったら本末転倒、バカらしいことです。だから、大事な場面だけ全力投球するというわけです。」と語るのは、監督として多くの選手を起用してきた野村氏。
本当に大事なときに、全力で投球できるように余力を残しておくこと。仕事に限らず、プライベートでも力み過ぎずにリラックスしていたほうが上手くいくことがある。たまに手を抜くくらいがちょうどいいのかもしれない。
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