akane
2018/11/27
akane
2018/11/27
子育ての手が離れた35歳のとき、「年齢的に最後のチャンス。好きなことを仕事にしてみよう」と思い立ちました。ふつうのOLを経て専業主婦になった私は、それまで何一つ、夢をかなえたことがなく、このままではいけないと考えたのです。
夢は3つ、洋服、動物、占いに関連する仕事につくことでした。ところが、幸いにして目指す仕事につくことはできたものの、長続きしませんでした。
来年は息子が大学生になり、お金もかかるので、今度こそちゃんと続けられる仕事につきたいと思っています。でも、何をやっても長続きしない私にできることはあるのかと心配になります。できれば「天職」と思えるような仕事につきたいのですが、そんな仕事は一握りの人にしか得られないような気もします。
「天職」って、誰にでもあるものなのでしょうか。
Yさんが求めているのは、「天職」というよりも、きっとやりがいとか生きがい、自分の価値を認めてもらうことなのでしょうね。子どものころからの夢をかなえたいと、アパレルの仕事やペットショップ、占いライターなどの仕事をしてきたことから見ても、そのことはわかります。
メールには、「占いのスキルを上げようと、霊気を習った。その前日、紫色の妖精のようなものを見て、余計なものが体からするりと抜けた」という話も書かれていました。
もしかしたら、Yさんは私に「スピリチュアルなものが向いていますよ。きっと天職ですよ。がんばってください」と言ってほしいのかもしれませんね。でもね、ごめんなさい、そうは言えません。
するかしないか、向いているか向いていないかは自分で決める事です。満足する仕事をしてお金をいただくことは、理想ですね。
けれど今息子さんが大学生になりお金がかかるのならば、天職を求めるよりも、まずはお金を得ることを優先にされて下さいませ。
続かないというのなら、続けられる仕事が見つかるまで探せばいいのです。履歴書を書くことも、新しい場所で新しい仕事に慣れることも大変ですが、天職を探して悩むよりはずっとその方がいいです。
子どもの手が離れて、子どもにお金が掛からなくなったら、Yさん、あなたの天職をどうぞ思う存分探されて下さいませ。
けれど天職って難しいものですね。
わたしは、いま、このような仕事をさせていただいておりますが、これが天職だと思ったことは一度もないのです。若いころにウエイトレスのアルバイトをして、「楽しい、お天職かも」と思ったことはありますけれどね。
自分の取り組む仕事が天職であるかどうかは、自分自身が決めることなんです。職を得るという事は、楽しい事ばかりでは決してありません。
なんでもそうかもしれませんが、仕事をするうちにやりがいを感じて、迷いながらも続けて周囲に認められて、さらに収入が得られるようになって初めて、「あー、飽きたけど、よく続いているなぁ」と思うことが、もしかしたら天職なのかもしれませんね。
そう思うと、天職は人には一つではないのでしょうね。
Yさんは、飽きっぽいですね。
仕事を覚えたら、もう飽きてしまうんですね。
飽きが、仕事を続ける意欲を奪ってしまっていますものね。
それがいけないのではなくて、そういう性格なのだと思いましょう。
けれどいまは、天職のことは後回しにされて下さいませ。今はそういう事をいっている時ではない事は、Yさんがいちばんよくわかっているはずです。
子どもを社会に送り出すまで育てあげることこそが、いまのYさんの最優先課題ですね。
懸命に働けば、やがてその仕事が天職だと思える日が来るのではないでしょうか。
「天職」は神樣とか天から与えられるものではありません。
目の前にある仕事に一生懸命取り組むなかで、だんだんに「天職かも」と思えてくるものです。
けれどそれを「天職」かどうか、決めるのは自分自身なのです。
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