20年間子育てをしてきた人気料理家が語る「子どものレシピは10個あれば大丈夫」な理由
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「なんとなく料理はできるほう!と思っていたはずなのに、子供を持った途端、料理が苦手で苦痛なものに思えてきた……」
毎日、献立を考えることに対して、苦手意識すら抱いているような子育て世代に贈る、“読む料理本”『子どもはレシピ10個で育つ。』が刊行になりました。
刊行を記念して、本書の一部を全4回に分けて公開します。
実際に双子の息子を育て上げた人気料理家・上田淳子さんの愛情深い言葉は、勝手に抱え込んでいた悩みや不安・思い込みをスーッと解決してくれるはずです。

 

 

双子の息子たちが成人したいま思うのは、日々のごはんにたくさんのレシピは必要ない、ということでした。

 

持つべきは、刻々と変化する状況や条件に応じてレシピや献立をアレンジできる力。

 

家族も自分も、毎日ごちそうが食べたいわけではなくて、“そこそこ”の料理が、おなかが空いたときに並ぶこと、それが本当の理想であり現実なのではないでしょうか。

 

レシピは、家族が好きなものや自分が作りやすいものを10個ほど持っていれば実は十分です。

 

その10個を、いまある素材や料理にかけられる時間などとにらめっこしながらアレンジできればバリエーションは自然と広がっていきます。

 

しかし、そうやってアレンジできるようになるには、メニュー名から献立を考えてしまうクセや検索してしまう習慣から一旦離れる必要があります。

 

この本ではそんなふうに、固くなってしまった頭をほぐすための新しい考え方やすぐに使える小ワザ、我が家で日々アレンジしながら作っているネタ元レシピなどを詰め込みました。ゴールが見えないようでいて子どもはあっという間に大きくなってしまいます。

 

24時間365日一緒にいたのに、トイレについて行かなくなり、だんだんと手を繋がなくなり、一緒に寝ることもなくなります。

 

でも、唯一最後までできるのは、ごはんを一緒に食べること。独立して実家に帰ってきたときなども、一緒にいるのは案外ごはんを食べるときぐらいしかないように思います。

 

だから私は、母として、料理を諦めたくないと思っています。毎日ごちそうは作れないけれど、蒸しただけのさつまいもや茹でただけのトウモロコシでも自分なりのこだわりと思いを持って作りたい。そうしたらきっと、シンプルな料理でも、何百回と作ったメニューでも最後まで一緒に〝美味しいね〟と言い合える関係が作れるような気がしています。

 

「そんなに頑張らなくていいよ」と言ってくれる人たちもいますが、正直なところ、頑張らないと家事も育児も回らないですよね。大切なのは「頑張る」とか「頑張らない」ではなくて、「少し頑張る日」 や「ちょっとだけ力を抜く日」を作ったり家族や便利な道具に甘えたりして自分で自分をコントロールしながら、走り続ける持久力。

 

そう、毎日のごはん作りも家事もフルマラソンだから。

子どものレシピは10個あれば大丈夫

上田淳子(うえだじゅんこ)

料理研究家。神戸市生まれ。辻学園調理・製菓専門学校を卒業後、同校の西洋料理研究職員を経て渡欧。スイスのホテルのレストランやベッカライ(ベーカリー)、パリではミシュランの星付きレストラン、シャルキュトリーなどで約3年間修業を積む。帰国後は、シェフパティシエを経て独立。料理教室を主宰するほか、雑誌やテレビ、広告などで活躍。双子の男の子の母としての経験を生かし、食育についての活動も積極的に行う。著書には『フランス人が好きな3種の軽い煮込み。』『フランス人がこよなく愛する3種の粉もの。』(ともに誠文堂新光社)、『あたらしい一汁三菜』(文化出版局)、『から揚げは、「余熱で火を通す」が正解!』(家の光協会)などがある。
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子どもはレシピ10個で育つ。

子どもはレシピ10個で育つ。

上田淳子

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