青年剣士・月影兵庫(つきかげひようご)の活劇を収めた短編集

小説宝石 

『血染めの旅籠 月影兵庫ミステリ傑作選』東京創元社
南條範夫/著・末國善己/編

 

連作時代小説の中でもミステリに特化して編集されたこの傑作選シリーズ。今回は懐かしや〈月影兵庫〉である。南條範夫は『残酷物語』『裁きの石牢』などで残酷ブームを巻き起こしつつ、『からみ合い』など現代ミステリをもものする多彩を持ち合わせた作家であった。

 

従って、時代ミステリも多く、本書収録の作品も初登場の「上段霞切り」をはじめとして表題作以下「森の中の男」など、全十七篇を収録したファンには嬉しい大部の一巻となった。

 

『血染めの旅籠 月影兵庫ミステリ傑作選』東京創元社
南條範夫/著・末國善己/編

 

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-syosetsuhouseki-

伝統のミステリーをはじめ、現代小説、時代小説、さらには官能小説まで、さまざまなジャンルの小説やエッセイをお届けしています。「本がすき。」のコーナーでは光文社の新刊を中心に、インタビュー、エッセイ、書評などを掲載。読書ガイドとしてもぜひお読みください。(※一部書評記事を、当サイトでも特別掲載いたします)

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