図書室司書
都内の私立高校図書室で司書として勤務中。 図書室で購入した本のPOPを書いていたら、先生に「売れている本屋さんみたいですね!」と言われたけど、前職は売れない本屋の文芸書担当だったことは秘密。 本屋を辞めたら新刊なんか読まないで持ってる本だけ読み返して老後を過ごそう、と思っていたのに、気がついたらまた新刊を読むのに追われている。
2020/03/31
『月の落とし子』早川書房 穂波了/著 未知の新型ウィルスによる感染症が、急激に広がっていく日本。 封じ込めようと様々な対策が行われるが、功を奏しない。 新型ウィルスの危険性の強さにパニックが起 […]
2020/03/10
『大名倒産』文藝春秋 浅田次郎/著 そりゃー、えらいことである。 丹生山松平家。将軍家ご家門のひとつでもあり、米どころの越後に領地を有する三万石のお殿様。 それが倒産。 いや、正確に言うと倒産 […]
2020/02/10
『ノラや』中央公論新社 内田百閒/著 内田百閒は天下無双の偏屈ジジイである。 坊ちゃん育ちで、わがままし放題で、道楽者で、癇が強くて、いやしんぼで、好き嫌いが激しくて、およそ我慢というものを知 […]
2020/01/10
『父と僕の終わらない歌』ハーパーコリンズ・ジャパン サイモン・マクダーモット/著 愛車でドライブ中の親子。運転する息子の隣でカーステレオにあわせて自信満々に朗々と歌う父。次から次にとぎれなく続 […]
2019/11/21
『カインは言わなかった』文藝春秋 芦沢央/著 本の袖に、すでにその答えは明示されていた。 小説の主な舞台は、カリスマ監督・誉田のダンスカンパニーの公演。 演目は「カイン」、弟・ア […]
2019/10/25
『店長がバカすぎて』角川春樹事務所 早見和真 /著 そんなに分厚い本でもないし読みにくいわけでもない。 いや、むしろ最近の小説にしてはコンパクトだし、リーダビリティも優れている。 なのに、読み […]
2019/09/09
『愛なんてセックスの書き間違い』国書刊行会 ハーラン・エリスン/著 「ハーラン・エリスン」は、かつて「カッコいい」の代名詞だった。 ハード・コアな文体、マッチョなのにぶっきらぼう […]
2019/08/05
『夢見る帝国図書館』文藝春秋 中島京子/著 子供の頃、本屋は遊園地以上のワンダーランドだった。 びっしり本の詰まった棚の前に立つとわくわくしてお腹が痛くなるくらいだった。 だから […]
2019/07/19
『女の一生』光文社 モーパッサン/著 永田千奈/翻訳 むかし、働いていた書店で実際にあった会話。 「店長!お客様から本の問合せなんですが」 「なんていうタイトル?」 「『女の一生 […]
2019/06/28
『夢も見ずに眠った。』河出書房新社 絲山秋子/著 旅で始まって旅で終わる。 これは沙和子と高之の12年間にわたる物語だ。 まだつきあい始める前、学生だったころの高之の一人旅。 夫 […]
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