伝統のミステリーをはじめ、現代小説、時代小説、さらには官能小説まで、さまざまなジャンルの小説やエッセイをお届けしています。「本がすき。」のコーナーでは光文社の新刊を中心に、インタビュー、エッセイ、書評などを掲載。読書ガイドとしてもぜひお読みください。(※一部書評記事を、当サイトでも特別掲載いたします)
2021/05/25
『男の子になりたかった女の子になりたかった女の子』中央公論新社 松田青子/著 目の前に山とある違和感の正体を暴いてくれる松田青子の小説は、痛快だ。国家や社会、それを作り上げてきた男たちの欺瞞をつつき、笑わせ […]
2021/04/30
『つまらない住宅地のすべての家』双葉社 津村記久子/著 主要人物は20名以上。と聞けば「読んでいて混乱するかも」と思われるかもしれないが、大丈夫。読み進めていくうちに、一人一人のキャラクターがくっきり浮かび […]
2021/04/28
『もろびとの空 三木城合戦記』集英社 天野純希/著 本書の中ほどで、元別所家剣術指南役で、今は百姓をしている室田弥四郎の娘・加代が、別所家家臣で“死に損ない”の異名を持つ蔭山伊織に「一つだけ、聞いてもええで […]
2021/04/27
『クララとお日さま』早川書房 カズオ・イシグロ/著 カズオ・イシグロがノーベル文学賞受賞第一作として発表した『クララとお日さま』は、どこか懐かしい物語だ。AI搭載の人型ロボット、クララは、十代前半の少女ジョ […]
2021/03/29
『もう死んでいる十二人の女たちと』白水社 パク・ソルメ/著 斎藤真理子/訳 韓国の民主化運動を軍が武力弾圧した光州事件や、福島第一原発の事故、あるいはフェミサイド(女性殺人)に触発されたという八編。韓国現代 […]
2021/03/26
『テスカトリポカ』KADOKAWA 佐藤 究/著 麻薬カルテルに支配されたメキシコ北西部の街クリアカン。その地で育った少女ルシアは南のアカプルコに流れ日本に。やがて川崎でヤクザの土方と結婚し、一子コシモを産 […]
2021/03/25
『高瀬庄左衛門御留書』講談社 砂原浩太朗/著 五十歳を前にして妻の延を亡くした高瀬庄左衛門は息子の啓一郎夫婦と同居する神山藩の郡方づとめである。父子の職禄を合わせても五十石相当の身代で、それも半ばは藩に借り […]
2021/03/10
『天を測る』講談社 今野敏/著 今野敏には既に明治警察小説〈サーベル警視庁〉シリーズがあるが、本書のような幕末を舞台にした本格的な歴史小説ははじめてである。 作者がこの一巻をものするために選ん […]
2021/03/08
『おれたちの歌をうたえ』文藝春秋 呉勝浩/著 ショッピングモールで起きた無差別殺人事件のその後を描く『スワン』で、吉川英治文学新人賞と日本推理作家協会賞を受賞し話題を集めた呉勝浩。最新作『おれたちの歌をうた […]
2021/03/05
『不可逆少年』講談社 五十嵐律人/著 デビュー作『法廷遊戯』が話題になった弁護士作家・五十嵐律人は、第二作『不可逆少年』で少年犯罪とむきあい、彼らの過去と未来を考える家庭裁判所調査官・瀬良真昼を主人公にすえ […]
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