伝統のミステリーをはじめ、現代小説、時代小説、さらには官能小説まで、さまざまなジャンルの小説やエッセイをお届けしています。「本がすき。」のコーナーでは光文社の新刊を中心に、インタビュー、エッセイ、書評などを掲載。読書ガイドとしてもぜひお読みください。(※一部書評記事を、当サイトでも特別掲載いたします)
2021/01/15
『冬の狩人』幻冬舎 大沢在昌/著 H県本郷市は世界的な計測機器メーカーのモチムネの本社がある企業城下町である。本郷市随一の料亭で四名が死傷する銃撃事件が起きた。被害者は市長やモチムネの関係者だったが、同席し […]
2021/01/13
『だまされ屋さん』中央公論新社 星野智幸/著 自己責任論が強まる中、深刻な家族の問題も、事件化して初めてそのいびつさに驚くことが多い。いや、もともと「家族の問題は家族で」という意識の強い日本では、問題は内に […]
2021/01/06
『浄土双六』文藝春秋 奥山景布子/著 足利尊氏を初代将軍とする室町幕府は十五代将軍義昭までちょうど二百五十年間、京都に幕府を置いた。本書は五代将軍の早世後、石清水八幡宮の神籤で仏門から還俗させられた六代将軍 […]
2020/12/03
『夜明けのすべて』水鈴社 瀬尾まいこ/著 優しくせねばという義務感より、屈託のない大らかさのほうが、相手は受け入れやすいものだーと、つくづく思わされるのが瀬尾まいこの新作小説『夜明けのすべて』である。 &n […]
2020/12/01
『化け者心中』KADOKAWA 蝉谷めぐ実/著 第十一回小説野性時代新人賞受賞作品である。 舞台は文政期の江戸。中村座で六人の役者が車座になって台本の前読みをしていると、その真ん中に投げ込まれ […]
2020/11/30
『日没』岩波書店 桐野夏生/著 小説家のマッツ夢井に総務省文化局・文化文芸倫理向上委員会(略称ブンリン)から召喚状が届いた。海辺の断崖の療養所へ連れていかれ、作品がレイプや暴力、犯罪に肯定的で社会に適応して […]
2020/11/12
『刑事何森 孤高の相貌』東京創元社 丸山正樹/著 著者は、デフ(ろう者)の両親をもつ聴者=コーダ(CODA)の荒井尚人が、手話通訳士として法廷で活躍する〈デフ・ヴォイス〉シリーズで熱い支持を集める作家。荒井 […]
2020/11/09
『わたしが消える』講談社 佐野広実/著 交通事故がきっかけで、藤巻智彦は自分に軽度認知障碍の症状が出ていることを知る。そんなおり、福祉施設で実習中の娘から、認知症の入所者の身元調査を依頼される。その老人は施 […]
2020/11/05
『お庭番デイズ 逢沢学園女子寮日記』講談社 有沢佳映/著 都内にある中高一貫教育の共学私立学校、逢沢学園には自宅通学生の他に、学園敷地内にある男子寮と女子寮から通う生徒がいる。本書は校舎の玄関まで徒歩二分の […]
2020/10/08
『陽眠る』角川春樹事務所 上田秀人/著 上田秀人の最新作は、ある船が見守る幕府の男たちの物語である。 その船とは開陽丸。排水量二千五百九十トン、全長七十二・八メートル、最大幅十三・〇四メートル […]
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