ryomiyagi
2020/09/29
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2020/09/29
こんにちは。小澤あきです。
本日のひとさじは、キッチンからお届けします。
毎日何回キッチンに立たれますか?
どんなスタイルで立たれますか?
キッチンは、ともするとあまり意識することもなく、
毎日バタバタと出入りする場所。
多くの時間を過ごしているはずなのに、
心地のいい場所にしないのは勿体無い。
とはいえ私もワンオペ3児の母ですので、
現実を見据えたひとさじをご紹介しますね。
これは我が家のお鍋たち。
長いものは10年以上使い続けています。
5年ほど前に炊飯器をやめて、お鍋で炊くようになり、
時間にも空間にも余白ができました。
テフロン加工のフライパンも12年の間に2つ使いましたが、
最後ははげてボロボロになる様を見て、
これを食べているのかと思うのと同時に
また6年後には買い替えるのかと考え悩んだ結果、
テフロンのフライパンにもさようならを告げました。
こうして手元に残ったものは、
いずれも日本製のステンレス多重鍋。
geoPRODUCT(ジオプロダクト)のものです。
1960年に創業した新潟県燕市にある宮崎製作所が
料理家服部幸應先生をスーパーバイザーに迎えて発表したこのシリーズは、
無水鍋の先駆けともいえるかもしれません。
シンプルで、扱いやすく、
熱源もガス・IH共に使えて、ケトルまで揃うのも魅力。
メンテナンスも受け付けてくださるその真摯な姿勢もまた、
使うたび私の手にも伝わるような気がします。
2つめは柳宗理(やなぎ むねみち)のパンチングストレーナーとボウル。
とどのつまり、ザルとボウルです。
一般的なザルと異なり平面状に穴が空いているような構造のため、
目詰まりが気にならないところと、それゆえお手入れがしやすいところ、
そして見た目に美しいところがたまりません。
こうした道具は毎日無意識に手にする、目にするものですから、
心地よく整えておくことで自分自身の所作まで整うのではなかろうかと、
淡い期待を込めて選んでいます。
1981年には紫綬褒章を受賞した柳宗理氏。
自身のデザインする柳宗理のアイテムは実用性にも富んだ美しいデザインで、
ご本人が世を去った後も人々を魅了し続けています。
そして最後は、言わずと知れた野田琺瑯です。
「調理中も美しいキッチン」をイメージすると、
欠かせないと感じたのがバットやボウルでした。
揚げ物も大好きだし、揚げ浸しの時などにそのまま冷蔵庫にも入れられて
匂い移りも気にならない。
清潔感のある白い琺瑯は、
お味噌やぬか床、お米やグラノーラの保存にも愛用していて、
バットもこのようにサイズ違いで揃えて
大切に使っています。
入れ子になるので収納の面でも秀逸。
1934年の創業以来、栃木県栃木市で製造している野田琺瑯。
現在は鋼板琺瑯製造の全行程を一貫製造する国内唯一のメーカーです。
何気ない暮らしの中の消費の選択で、
国の伝統や技術を支えることができるかもしれない。
大袈裟かもしれませんが、そんな風にも考えて
モノ選びをするのもまた、楽しいものです。
【本日のひとさじ】
調理器具には、ひとさじの伝統を。
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