ryomiyagi
2020/02/26
日本語の「わかりやすさ」の決め手
ryomiyagi
2020/02/26
文章を書くことは「引っ越し」に似ている。
部屋に散らばる無数の小物をそのまま運びだし、トラックの荷台にバンバン載せていくと、あとで崩れて大変なことになる。
衣類、食器、文房具、おもちゃなど、種類別にラベルを貼って段ボール箱に詰め、
それを荷台に積みこむことで、効率のよい引っ越しができる。同様に、文章を書くときも、
書き手の頭にある無数の「文」を、「段落」という箱に整理して入れ、順々に運び出すことが大事である。
読み手の頭という新居に荷物が届いたら、ラベルを頼りに仕分けして梱包を解けば、そのまま適切な場所にしまえる。
文章による情報の引っ越しは、「段落」という箱の使い方にかかっているのだ。
1969年大阪府生まれ。神奈川県出身。 国立国語研究所日本語教育研究領域代表・教授、一橋大学大学院言語社会研究科連携教授。 一橋大学社会学部卒業。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。専門は文章論。 著書に『文章は接続詞で決まる』『「読む」技術』『日本語は「空気」が決める』『語彙力を鍛える』(以上、光文社新書)、 『よくわかる文章表現の技術I[新版]―表現・表記編―』『同II[新版]―文章構成編―』 『同III―文法編―』『同IV―発想編―』『同V―文体編―』(以上、明治書院)、 『この1冊できちんと書ける! 論文・レポートの基本』(日本実業出版社)、 『大人のための言い換え力』(NHK出版新書)など多数。
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