日本人はなぜ、過剰包装になりがちなのか?その起源を探る
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神と人との共食が贈答の起源

 

あらゆる場面において、日本人は贈答を欠かすことなく、生活の一部として受け継いできました。

 

贈答は、神と人との共食に由来します。神と人とが同じ火で煮炊きしたものをいただくことによって、神と人との交流がはかられ、強い繋がりのもとに加護を願うということです。

 

天災を避け、実りある秋を願う農民たちは、祭りの後に神饌や供物を取り下ろし、人間関係を強化する一助として、集団や共同体でそれをいただく、つまり、人と人との共食を大切にしました。この供物こそ、贈答の起源といえましょう。

 

古来、白い紙そのものが貴重であった

 

贈答品は、現代においては、それぞれのお店や百貨店の包装紙で包まれることが多いですが、昔は贈り主が、自身で白の紙を用いて包んでいました。

 

紙は古来より貴重なものとされ、公卿(くぎょう)らは手紙のやりとりのなかで「紙の白さ」を競うほどであったともいわれます。江戸時代までは、紙そのものが贈答品として用いられることもありました。

 

それほど高級品であった紙で贈答品を包むことは、相手を尊ぶこころを表現することにも繋がったのです。

 

また、白の紙は贈り主の身の穢れを清め、品物を外界の悪疫から守る意味もあります。

 

たとえば神仏への供物やお正月の鏡餅は、三方(さんぼう:四角の折敷の下に三方向に穴のある台がついたもの)にのせて供えます。この神饌に常磐木(ときわぎ)や白紙のかいしきを敷いてからのせられます。

 

あるいは、結納品が白木の台にのせられることなども、贈るものがより清らかであるよう
にという思いが深いことを示します。

 

 

以上、『外国人に正しく伝えたい日本の礼儀作法』(小笠原敬承斎著、光文社新書刊)から抜粋・引用して構成しました。

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