仰ぎ見るほど高い神社―――日本の8大聖地・出雲大社
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出雲大社 神楽殿の大注連縄

 

100メートル近い高さの神社だった

 

遷宮をくり返してきたのは伊勢神宮だけではない。伊勢神宮ほどではないものの、出雲大社の遷宮も平成25年に行われた。本殿の規模が大きく、屋根も広いため、全体の総事業費はおよそ80億円。かなりの大事業である。

 

出雲大社の本殿の屋根は相当に大きく、面積はおよそ180坪、厚さは約1メートルあり、葺かれた桧皮は60万枚に及んでいる。「四尺皮」と呼ばれる出雲大社だけに見られる特大の桧皮も用いられている。屋根の葺き替えとともに、その上に抱く千木や鰹木の取り替えも行われた。

 

大きな注連縄が有名で、本殿西の神楽殿にあるものは、長さ13メートル、周囲9メートルで、重さは5トンだ。

 

しかも、中古の時代においては、本殿の高さは48メートルで、上古には96メートルにも及んでいたという言い伝えがある。

 

100メートル近い高さの神社など想像することさえ難しい。空想にしか思えないが、現在ではむしろ、かつての出雲大社は地上から仰ぎ見るような壮大な建築物だったという説が唱えられ、それが信憑性のあるものとして受け取られているのである。

 

神無月には神はどこにいるのか

 

旧暦の10月は「神無月」と呼ばれる。この月には、全国の神々が出雲大社に集まり、縁組みなどの相談をするとされている。そのため、他の地域からはことごとく神々がいなくなるということで神無月の名称が生まれた。一方、出雲には神々が集まってくるので、地元では「神在月」と呼ばれる。

 

これは、出雲大社に対する信仰を広めた御師による俗説だと言われる。

 

たしかに、神無月に文献上の根拠があるわけではない。神々がいないのであれば、その時期各地の神社に詣でる意味はなくなってしまう。都合がいいのは出雲大社の側だけである。出雲大社が縁結びの神とされるのも、やはり俗説をもとにしている。
ただ、神がどこにいるのかということは、神道や神社のことを考える上において大きな問題である。

 

もし神が常住しないのであれば、立派な社殿を建てることにどれだけの意味があるのだろうか――。(続きは本で)

以上、『日本の8大聖地』(島田裕巳著、光文社知恵の森文庫)の内容を一部改変してお届けしました。

 

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