飛び降り自殺から生還したモカさんが伝えたいこと(7)
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経営者・漫画家のモカさん(1986年3月生まれ、元男性)は、躁鬱病を悪化させた末、飛び降り自殺で重傷を負いながらも九死に一生を得る。全身の痛みに向き合いながら気づきを得たモカさんは、2016年から「お悩み相談」を始め、約600人の悩みと向き合ってきた。

 

 

お金がなくても生きられる生き方をしてみる

 

モカさんに持ちかけられる相談の中で、最も多いテーマの一つが「お金」だ。

 

お金がない、お金が足りない、給料に満足できない、などなど。

 

また、直接的にお金がないと悩んでいなくても、悩みに密接に関係している場合もある。

 

家族がバラバラだ、体がしんどい、精神的に余裕がない。それなのに最も大切にすべき家族、体、心に向き合う時間が取れていない。

 

その裏に、「お金が必要だから」と自分を追い立て、仕事に向かっている問題がある、とモカさんは指摘する。

 

お金に悩む相談者には、次の言葉を投げかける。

 

「いったんお金を必要としない生き方をしてみない?」「お金ってそこまで必要?」

 

「お金が欲しいと望んで、お金を稼ぐならば別にいいんです。そういう幸福の味わい方もあるから。ですが、お金がないと生きていけないと、仕方なく稼ごうとしているなら、いったんお金がなくても生きられる生き方をしてみたらどうでしょうか?」

 

モカさんは、20代で早くも1千万円の年収があった当時をこう振り返る。

 

「年収600万円ぐらいを超えたあたりから、幸福感が増すわけではなかったよ。タクシーに自由に乗れるぐらい。私は贅沢すれば幸せになる人間でもない。仕事が忙しい分、孤独だった」

 

「最低限の食べるものと住むところがあればいい。住むところは田舎、食べ物は自給自足で構わない。そこでも仲間、友だちがいれば幸せになれる」

 

お金の呪縛から自由になろう。また、お金を稼ぐフィールドに立てない人でも幸せになって欲しい。

 

モカさんは、ある構想を明らかにし、少しずつ動き始めている。

 

 

以上、『12階から飛び降りて一度死んだ私が伝えたいこと』(モカ、高野真吾著、光文社新書刊)から抜粋・引用して構成しました。

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12階から飛び降りて一度死んだ私が伝えたいこと

12階から飛び降りて一度死んだ私が伝えたいこと

モカ/高野真吾

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