奇跡のホテルで島の暮らしを体験! 評論家が見た「星のや竹富島」
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いまもっとも注目を集めるリゾート運営会社、星野リゾート。その魅力に迫った著書『辛口評論家、星野リゾートに泊まってみた』(瀧澤信秋著)より、著者が「奇跡のホテル」と呼ぶ「星のや竹富島」の紹介を抜粋してお届けする(最後の評点は、著者独自のチェック項目から★1点☆0.5点の5段階で採点したもの)。

 

 

ロケーション&コンセプト

 

沖縄の原風景を体感できることで人気の竹富島。石垣島の離島ターミナルから高速フェリーで約10分。30分間隔で運行しており(季節により増便)、離島でありながらアクセスに優れる人気観光スポットだ。竹富島は、珊瑚礁が隆起してできた周囲9・2㎞の小さな島。

 

竹富港からアイヤル浜へ至る“蝶の道”を送迎車で約10分進むと「星のや竹富島」にたどり着く。島の東側、約2万坪の敷地に琉球赤瓦の戸建て集落が並ぶ。珊瑚の石垣、白砂の路地などもあいまってまさに竹富島の原風景を見るかのようだ。

 

見晴台や集いの館などもあり、さながら小さな集落を構成。竹富島景観形成マニュアルに従い伝統を尊重する。リゾート開発など相容れないような条件下で、2012年に開業した同施設は“奇跡のホテル”ともいえるだろう。

 

ステイ

 

さまざまな楽しみに溢れるが、小さな集落内の“散策”は体内時計がいつのまにか島時間に変わっていく素敵な時間だ。赤瓦の家並み、真っ白な珊瑚の砂、どこからともなく聞こえてくる三線の音色……島時間がゆったり流れていく。島の中心部にも同様の光景が広がり、島民たちの生活を感じることもできるが、昨今の観光ブームにより意外に賑やかだ。

 

小さな集落に48の客室棟が点在。散策にちょうど良い規模で何より静か。木造平屋造りの建物で印象的なのが縁側。南向きであるが、風が心地よく吹き抜ける設計なので過ごしやすい。リビングは板張りで開放的、大きくゆったりしたソファに寝転ぶもよし、開放的なバスタブに浸りながら竹富島のやさしい風を感じるもよし。

 

グルメ

 

ディナーはメインダイニングにて。コンセプトは“琉球ヌーヴェル”。島特有の食材、ハーブなどを用いフランス料理の技法も採り入れた琉球料理を提供。新たな発想と上質な食材がコースの中で表現されていく。インルームダイニングも可能。八重山の食材を使ったアラカルトメニューが用意されている。

 

朝食は畑人(はるさー、畑で働く人の意)がテーマ。島民の一日は太陽とともに始まり、畑を耕したり、漁に出たりと活力に溢れている。活動する人にとって朝食は元気の源。その観点で作られた朝食は、旬の野菜、フルーツなどゲストが1日を健康的に活動してもらいたいという願いが込められている。洋食では野菜の美味しさを引き出すため、フランスの地方料理を採り入れる。たんぱく質と余分な脂質を減らした植物性脂質によるバランスのとれた洋朝食だ。和食は、旬の食材で朝から数々の琉球料理が楽しめる。沖縄の長寿健康は医食同源が秘訣だというが、まさに体の中から健康になっていくような献立だ。

 

アクティビティ

 

全長46メートルある楕円型すり鉢状のプールは、星のや竹富島の中心的な存在。芝生とテラスに囲まれており、プールで遊んだり休憩したりと思い思いの時間が過ごせる。24時間利用可能というのも嬉しい。「ゆんたくラウンジ」で過ごす時間も一興。“ゆんたく”とは沖縄の言葉でおしゃべりのこと。読書や音楽、フリードリンクも楽しめるライブラリーラウンジは滞在中いつでも利用することができる。

 

魅力はここだけにとどまらない。地域文化、島あそびを体験できるのも醍醐味のひとつだ。島民に教わりながら織り上げる竹富島発祥のミンサー織体験や民具作り体験、スノーケルやダイビングといったマリンアクティビティも充実している。

 

評論家の目線

 

島の伝統文化に対する影響を懸念する住民に対し、星野リゾート側が長期間にわたり計画を説明し、誕生したホテル。この場所にホテルが存在すること自体が奇跡ともいえる。とはいえそこはやはり沖縄。訪れるシーズンによって印象はだいぶ異なるだろう。窓を開け放して南国の風を感じるにしても、真夏の日中はなかなか大変。台風シーズンも要注意だ。開放的なお風呂も同行者によっては気遣いが必要かもしれない。観光スポットである集落への送迎を利用すれば、島ステイの愉しみが広がるだろう。

 

ロケーション  ★★★★★
サービス    ★★★
ステイ     ★★★★☆
グルメ     ★★★
アクティビティ ★★★☆

 

星のや竹富島(新築)
住所:沖縄県八重山郡竹富町竹富
電話:0570―073―066
アクセス:石垣港から高速船で10分、竹富港から無料送迎

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