「低カロリー食品」の落とし穴
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◆カロリーを減らすと、糖質が多くなる

 

食品の「カロリー」を低下させるのに最も簡単な方法は、脂質の量を減らすことである。

 

脂質は1g当たり9キロカロリーと考えられている。

 

では、その代わりに、普通は何を増やすことになるか? 

 

そう、糖質である。

 

糖質のカロリーは、1g当たり4キロカロリーと脂質の半分以下である。

 

脂質の代わりに糖質を入れれば、甘くおいしくなるだけでなく、「カロリーオフ」となる。

 

しかし人間の体は、カロリーが少なくなったのに、糖質が増えたおかげで、インスリンをたくさん分泌しなければならなくなる。すると、体に蓄えられる脂肪が増加するのである。

 

低カロリーの食品は決して減量に向いているものではなく、事実は逆で、糖質が多くなる分、体重の増加に寄与するのである。

 

◆マヨネーズに罪はない――糖質と脂質を一緒に摂ると太る

 

糖質が入っていなければ、インスリンは分泌されず、摂取した脂質や体の中の脂肪はエネルギーとして使われる。

 

しかし、糖質と脂質を一緒に摂取すると、インスリンの作用で脂質は溜め込まれ、体の脂肪の分解は起こらず、糖質も脂肪に変わる。

 

糖質制限での食事が、高脂質の食事であるにもかかわらず、大きく体重が減少するのは、このような理由によるのである。

 

バターを練り込んだクロワッサンや、バターを塗った食パン、オリーブオイルたっぷりのパスタなど、糖質と脂質を同時に摂取する食事は、どんどん体の脂肪を増やしていく。

 

よく、肥満の人がマヨネーズを愛用していることが多いので、マヨネーズが肥満のもとのように考えられているが、それは間違っている。

 

肥満になる人が、糖質たっぷりの食品の上にマヨネーズをかけて食べているので、体重が増加するのである。

 

マヨネーズ単品であれば太らない。マヨネーズに罪はないのである。

 

◆インスリンが分泌されるから、太る

 

もう一度確認する。

 

脂質を摂取するから体の脂肪が増えるのではない。

 

糖質を摂取してインスリンが分泌されるから、摂取した糖質が脂肪に変換され、摂取した脂質がそのまま体の脂肪になるのである。

 

私は糖質制限をしているが、100g以上の脂質を食べても体脂肪は増加しない。

 

脂質ではなく、糖質の摂取量に応じてインスリンが分泌され、それに応じて体の脂肪はどんどん増加するのである。

 

肥満は糖質過剰症候群の最も代表的なものである。

 

…………

 

以上、『「糖質過剰」症候群――あらゆる病に共通する原因』(清水泰行著、光文社新書刊)から抜粋・引用して構成しました。

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「糖質過剰」症候群

「糖質過剰」症候群あらゆる病に共通する原因

清水泰行(しみずやすゆき)

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