「我々はとかく、他人の悪口を思いがち……」“ひふみん”が語る 人間関係のヒント
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将棋界のレジェンド・加藤一二三九段のエッセイ『一二三の玉手箱』(光文社知恵の森文庫)より、心に響く言葉の数々をご紹介します。

 

シンプルで深い“ひふみん”の言葉には、人生を愉しむヒントが満載! 

 

今回は「人間関係について」です。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

柔和であること

 

最近私がよく考えるのは人間関係についてだ。

 

特に「柔和」ということについて考える。

 

みなが仲良く暮らすため、どんな状況になっても柔和を失わないことが大切だ。

 

キリスト教には、「怒るに遅く、慈しみ深い」という言葉がある。私はこの言葉が好きだ。

 

主は怒るに遅く慈しみ深い。「怒るに遅く」とは、「ほとんど怒ることがない」と同義語である。

 

とかく我々は反対で「怒るに早く、慈しみに欠ける」ことが多いと思う。

 

だからこそ「怒るに遅く、慈しみ深い」というのは私の理想だ。

 

他人をどう見るか

 

我々はとかく他人の悪口を思いがちだが、それは良くない。

 

聖書には「他人の欠点よりも自分の欠点を少ないと思ってはいけない」とある。人は他人の欠点を大きく見がちだけれど、本当は自分に大きな欠点があるものだ。

 

人間関係とは、他人をどう見るか、どう判断するかということだ。

 

他人の欠点をくり返し見たり、大きく見ることは慎んだほうが良い。

 

リジューの聖テレジアという修道女は、仲間の欠点がちらつきはじめたらすぐにその思いをストップさせる、とおっしゃっている。

 

私が思うに、他人の欠点を思い始めたらいっぱい出てくる可能性があるのだ。

 

テレジアはそれらを分かっているから、ちらつき始めたら悪魔の誘惑としてパッとやめる。これは真理だと思う。

 

この世の中を大切に送るには人間関係が大切。

 

他人の失敗を許しなさい、他人の欠点に寛容であれ、とキリストはよくおっしゃる。

 

※この記事は『一二三の玉手箱』(加藤一二三・著)より、一部を抜粋・要約して作成しています。

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一二三の玉手箱

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加藤一二三(かとう ひふみ)

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