akane
2020/01/28
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2020/01/28
2018年に韓国で、わずか200冊のブックファンドから口コミで話題になり、40万部を超えるまでになったベストセラー、『死にたいけどトッポッキは食べたい』。
韓国で書店に行ったことがある方の中には、表紙のイラストに見覚えがあるという方もいらっしゃるかもしれません。
少し変わったタイトルのこの本は、著者であるペク・セヒさんが“不安神経症”(ぼんやりとしたうつ状態がずっと続く)の治療のため
精神科医との対話を通して自身の心と向き合った日々の記録です。
自分の心を縛って、苦しくしているものは、いったい何なのか。
それを見つめようともがく過程が、対話形式で生々しく記録されています。
BTSやSUPER JUNIORといったK-POPアイドルのファンをはじめ、韓国の、多くの若者たちの間でも、話題になった1冊です。
この『死にたいけどトッポッキは食べたい』日本語版の発売を記念して、料理家のなかしましほさんに、作品へのコメントとともにおうちでつくれる手軽なトッポッキのレシピを教えてもらいました。
なかしましほさんのコメント
この本に収められているのは、誰もが思い当たるような日常です。何となくしんどいけど生きていくって感じが、あまりに今の私たちで。簡単に世界が変わるわけじゃないという結末すら、すんなり受け止められます。漠然と不安な気持ちを抱えて今を生きる人たちへ、解決方法を示した本ではないけれど、読み終えて、自分のコンプレックスを身近な人に話してみたくなりました。
トッポッキの餅(トック)は日本のお餅(もち米)とは違い、うるち米(ごはん用のお米)を使っているのでコシがあり、煮くずれしにくいです。
炊いたごはんを使うと、手軽に作ることができます。
タレと一緒に溶けるチーズやソーセージ、さつまあげ、キャベツなどを入れるのもおすすめです。
材料(1~2人分)
炊いたごはん お茶碗1杯
片栗粉 お茶碗1杯
水 茶碗1/2杯
タレ(コチュジャン、ケチャップ各大さじ1、砂糖小さじ1、しょうゆ、にんにくすりおろし、ごま油各少々、水60ml)
作り方
1.厚手のポリ袋に炊いたごはんと水を入れ、粒を潰すよう、袋をよく揉む。片栗粉を入れさらに揉む。
2.まな板の上に片栗粉(分量外)を多めにふり、1をのせ、全体に片栗粉をまぶす。やさしく棒状に伸ばし、包丁で食べやすく切る。
3.たっぷりの熱湯に2を入れ、浮き上がるまで茹で、冷水に取る。
4.フライパンにタレの材料を入れて弱火にかける。3を加え、好みの濃度まで煮詰める。
日本では韓国料理店の定番メニューでもあるトッポッキ。
韓国ではごはんのおかずというより、ホットスナックのような存在です。
学校や駅の前、市場などいろいろな場所にトッポッキのお店や屋台があっておやつや夜食に軽く食べることも多いようです。
日本で言うと、おにぎりや、コンビニの肉まんや、たこ焼き……
そんな存在に近いかもしれません。
「死にたい」とぼんやり思うのと同時に「あれが食べたい」と好きな食べ物のことを考える。
そんな相反する心の在り方に、白黒をつける必要はないのかもしれません。
矛盾に満ちていても、それが自分の本当の気持ちなのですから。
何となく元気が出ない時、小腹がすいたとき、そしてもちろん、美味しいトッポッキが食べたいなと思った時に、ごはんで気軽に作れるこのレシピを、ぜひ作ってみてください。
レシピ:撮影 なかしましほ
料理家/東京都・国立市にあるおやつの店「foodmood」店主。書籍や雑誌のレシピ提案の他、広告・映画のフードコーディネートも行なっている。foodmood.jp
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