【レシピ付き】素材を小さく切るのは日本人だけ? 料理は「丸ごと」が楽ちんで美味しい!
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「なんとなく料理はできるほう!と思っていたはずなのに、子供を持った途端、料理が苦手で苦痛なものに思えてきた……」
毎日、献立を考えることに対して、苦手意識すら抱いているような子育て世代に贈る、“読む料理本”『子どもはレシピ10個で育つ。』が刊行になりました。
刊行を記念して、本書の一部を全4回に分けて公開します。
実際に双子の息子を育て上げた人気料理家・上田淳子さんの愛情深い言葉は、勝手に抱え込んでいた悩みや不安・思い込みをスーッと解決してくれるはずです。

 

 

◆大きく調理して、食べる時に小さくすればいい!

 

そもそも、素材を小さく切って調理したがるのは、日本人特有の気質なような気がします。欧米人、特に私が修業していたフランスでは、何でも丸ごとが大好き。それは、ナイフとフォークを使って食べる文化が下敷きにあってのことですが、私はもっとそれをマネしたいし、できるだけ取り入れるようにしています。

 

肉も野菜も魚も丸ごと調理するほうが切る手間が省けるので楽ちん、というのがまずありますが、やはり丸ごと焼いたり、蒸したほうが素材の味がギュッと閉じ込められ美味しくなります。根菜類だったら、とりあえず丸ごとグリルしておけば、その日でも翌日でもメニューに沿って必要なぶんだけ使うことができる。下ごしらえとして相当な時短になりますよね。

 

ナイフとフォークで食べなさい、とは言いません。丸ごとならではの美味しさと、大きいままドーンとテーブルに出すダイナミックさを味わい、ひとりで丸ごと食べたり、家族で“分け合って食べる”という楽しみを、ぜひ日常に取り入れていただけたらと思っています。

 

この小技を使った実際のレシピがこちらです。

細かく切らない炊き込みごはん

 

にんじんも里芋も、大きいまま炊飯器に入れてしまう炊き込みごはん。細かく切る手間が減るだけでなく、根菜類は炊飯器の中で丸ごとスチームされるので、硬くなりにくいのです。さつまいもや鮭なども、ぜひ大きいままで。

 

材料〈3人分〉
にんじん…小1本
しめじ…1パック
鶏モモ肉(唐揚げ用)…150g
里芋(冷凍)…4~6個
米…2合
昆布…5㎝角1枚
醬油…大さじ2

 

(1)炊飯器の内釜に洗った米と水をすし飯ラインまで入れ、昆布を加えて30分ほど置く。

 

(2)にんじんは皮をむき1.5㎝程度の厚さに切る。しめじは石づきを取る。

 

(3)1に醬油を入れさっと混ぜ、2と鶏肉、里芋をのせ、炊飯する。炊きあがったら、昆布を取りだし、しゃもじで具を崩しながら混ぜる。

子どものレシピは10個あれば大丈夫

上田淳子(うえだじゅんこ)

料理研究家。神戸市生まれ。辻学園調理・製菓専門学校を卒業後、同校の西洋料理研究職員を経て渡欧。スイスのホテルのレストランやベッカライ(ベーカリー)、パリではミシュランの星付きレストラン、シャルキュトリーなどで約3年間修業を積む。帰国後は、シェフパティシエを経て独立。料理教室を主宰するほか、雑誌やテレビ、広告などで活躍。双子の男の子の母としての経験を生かし、食育についての活動も積極的に行う。著書には『フランス人が好きな3種の軽い煮込み。』『フランス人がこよなく愛する3種の粉もの。』(ともに誠文堂新光社)、『あたらしい一汁三菜』(文化出版局)、『から揚げは、「余熱で火を通す」が正解!』(家の光協会)などがある。
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子どもはレシピ10個で育つ。

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上田淳子

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