95か月連続ナンバーワン! 歌舞伎町キャバ嬢の最強「自己ブランディング」術(3)~「継続する」力
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ryomiyagi

2020/05/05

コミュ力発揮で磨き上げたブランドイメージを定着させる。これが、95カ月連続ナンバーワンの座を守り抜く力だった。

 

 

■「コミュニケーション」でブランドを育て、「継続力」で定着させる

 

ライバルたちと比べて自分が得意と言えるものは何か、絶対にこれは負けないと思えるものは何か。

 

そう自己分析したときに、「これだ!」とピンと来たのが“継続する力”です。

 

実は私、こう見えて、けっこう昔から手堅い人間だったし、勉強でもスポーツでもお稽古事でも、コツコツと努力を続けないとうまくいかないということを、身をもって知っていました。

 

世の中一般的に見たら、大学を受験するなんて、ごく当たり前のことかもしれませんが、キャバクラの世界ではかなりレアケース。ライバルと差をつけてなんぼのこの世界において、この経験を使わない手はありません。

 

「地頭が良い」と言いたいわけではありません。ただただ、私は小さい頃から、「これだ!」と思ったら、ひとつのことを集中して継続できるタイプだったから、勉強もコツコツやってこられた。

 

キャバクラの仕事も同じ。127連勤して、法事で1日休んで、翌日から135連勤して、そのあとはまた1日休んで90連勤とかやっていたんですよ。

 

その結果、「70カ月連続ナンバーワン(当時)」というキャッチコピーを自分につけることができた。そして、それがインパクトを生んで、さらなるブランディングにつながっていきました。

 

「コミュニケーション力」で育てたブランドは「継続力」で定着させる。育てることと定着させることを同時にやっていくのが重要だと思います。

 

――でも、そういうポジションを続けるのって、強いメンタルが必要ですよね?

 

確かにそうですね。成功を続けるには、心と身体の強さが必要になってきます。

 

どんな世界でもそうですが、それなりのポジションを確立しようと思うなら、強い心と強い身体をもって、コツコツ努力を積み重ねなければ叶いません。

 

目指すは、一時的なナンバーワンではなく、広く長く親しまれる、つまり定着したスタンダード。

 

「地道に何かを続けるのはイヤ」という人に言いたいんですけど、世の中の天才と言われる人は、才能があるから成功を収めているわけではなく、みんな効果的な練習法や勉強法を見つけて、それをひたすら繰り返しているんです。つまり、天才だって、地道な継続なしには成功しないということ。

 

私は、凡人が天才に少しでも近づくためにできる唯一の手段が、”継続すること”だと思っています。

 

――「地道な継続」について、具体的に教えてください。

 

地道なアプローチを売り上げにつなげるためには、時間を決めて、必ずお客様に連絡を入れること。当たり前のように聞こえますが、その当たり前のことをやってないキャバ嬢が多いんです。

 

多少、機械的になってしまってもかまいません。新規のお客様と既存のお客様の両方に対して漏れなく、定期的に連絡を入れていくことを繰り返してさえいれば、売り上げが下がることはまずありません。

 

お客様だって、飽きることもあれば、私以外のキャバクラ嬢に興味が移ることだってあります。でも、それはフリーのお客様を自分のお客様にすることで補っていけばいいだけ。

 

どんな商品だって、どんなサービスだって、同じようなプロセスを踏んで顧客を獲得しています。

 

こうした地道な努力を怠ると、必ず結果に表れます。もちろん、私だって「面倒くさい」と思うことは正直ありますよ。でも、遠回りに見えて、これが一番の近道なのです。

 

それでも結果が出なくて苦しいときをどうやりすごすか。これが一番の悩みどころですが、これに関しては私、“何も考えない”ことが有効だと思うんです。

 

成果が出なくても、焦ったりイライラしない!「近道はいつだって遠回り」なんです。

 

■ダウンブランディングにさえならなければ、なんでもOK!

 

――継続の大切さはよくわかりました。ほかに大切なことを教えて下さい。

 

大切なこと、というか、避けなければならないのは“ダウンブランディング”。自分の価値を自らおとしめることですね。

 

それには、自分が確実に“勝てる”場所を見つけて、それ以外の場所では戦わない、つまり「勝ち戦以外はしない」ということです。

 

ブランドや自信を維持しようとして、高すぎるハードルを用意することはお勧めしませんが、設定を低くし過ぎてもダメだと思います。

 

私自身、たとえ有名なテレビ番組から出演依頼を受けても、企画趣旨や扱い方によってはお断りすることがあるんです。決して生意気な気持ちでお断りしているわけではありません。番組の中で同業者と比較されたりして、勝ち負けが浮き彫りになるような内容は避けているのです。

 

逆に、ブランドイメージがダウンさえしなければ、無意味だと感じることや、必ずしも自分のメリットにはならない話であってもお引き受けすることはありますよ。

 

“ダウンブランディングにさえならなければいい”というのが、私の中の「やる/やらない」の基準です。

 

最近は、商品のプロデュース業にも手を広げていて、色々な会社や知人から次々に協業の依頼が舞い込んできますが、私が本心から「これは売れる!」と思えるものにしか乗っかりません。

 

私は、「勝てる場所」というハードルの高さの設定に注意を払うと同様に、ゴール設定にもある一定のルールを設けています。

 

ゴールって結局、ものすごく遠い先にあるものではなく、意外に自分の足元にあるものだったりしませんか?

 

要するに、この仕事を始めて突っ走り続けている、その根本の理由がなんだったのかという「軸」をしっかりしておかないとダメだということです。

 

軸がしっかりしていないと、欲が出てきます。

 

その欲が、本当のゴールを遠ざけてしまうのです。

 

原点、軸、ゴール。これらはすべて同じ場所にある気がしています。皆さんも、自分にとってそれが何か、一度掘り下げてみるといいかもしれません。

 

私は、最適な高さというのは、「あいまい」なままでいいと思っています。

 

具体的な数字にこだわると、モチベーションを見失うことがあると思うんです。

 

ちょっと話が飛びますが、私は、TOEICのスコアみたいな目に見えないものにお金や労力をかける必要はないという考えの持ち主なんです。

 

目に見えないものにお金や労力をかけないといえば、家で使う化粧品もそう。

 

持ち歩く化粧品、つまり人の目につく化粧品はすべてディオールやシャネルなどのブランドコスメなんですが、自分が家で使うのは全部、ドラッグストアのプチプラコスメ。

 

ところで、私はたまたまコツコツ続けることが得意なタイプなのでそういうお話をしてきましたが、読んでいる方の中にはそうでもない人もいるかと思います。そんな人に伝えたいのが、

 

「自分がやると決めたことを継続させるには、やめたい理由よりも続ける理由を探すことが大切」ということ。

 

「なんでやめたいのか」は後ろ向き。過去を見ています。
「なんで続けるのか」は前向きで、未来を見ています。どっちのほうがいいですか?

 

●この記事は『「一番」という生き方』から引用・再編集したものです。

 

文/森健次

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