akane
2020/05/29
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2020/05/29
時間やお金など様々な事情でなかなか海外へ旅行できないとき、簡単に、手っ取り早く外国気分を味わえるのは、その国の料理を作ることだ。しかも日本にいながら、近くのスーパーマーケットで買うことのできる食材で作れるとなれば、試さない手はない。
女性と見間違えるほどの可愛すぎるルックスと愛くるしいキャラクターで、昨年頃からテレビ番組や雑誌、インターネット、雑誌などで話題の韓国料理研究家、ファン・インソンさん。「いんくん」の愛称で人気の彼が作るのは、簡単だけど味は本格派の韓国家庭料理。
韓国の大学病院で看護師として働いていたインソンさんは、祖母と母が韓国の宮廷料理人という家に育った。生まれ故郷のソウルの味と家族から受け継いだ宮廷料理の味をベースにしたレシピは、簡単に作れて体の内側から元気を与えてくれるものばかりだ。
「単に栄養を補給すればいいということではなく、料理を作る人と食べる人の間で交わされる『思い』が、何気ない料理を味わい豊かなものにし、生きる力を与え、身体の内側からあふれ出るような美しさを作ってくれる。だからこそ僕は、食べる人の気持ちを考えながら、丁寧に作らなければ意味がないと思っています。」
そういうわけで、本書でインソンさんが紹介するレシピは、ただの時短料理ではなく、三大栄養素のバランスやカロリーに配慮し、なおかつお腹いっぱい食べても太らないのが基本。たくさん食べても太らないなんて夢みたいな話だけれど、要は毎日の食事で美しく体をととのえていくのを目的としている。
「料理には人を癒す力がある」というインソンさん。だからこそ、きちんとだしを取り、肉や魚のくさみを除き、素材の食感や風味を活かす工夫が大切なのだという。
たとえば「シラスポックム」は鉄分とカルシウムが一緒にとれる優秀おかず。その名の通り、シラスをししとうや青唐辛子と一緒に炒め、最後にミックスナッツを加えるのだが、これは市販のものでいい。ぴりりと辛みが効いて、お酒のお供にも最高だ。
にんにくを1玉まるごと使った日本の水炊きのような「タッカンマリ」は体を温めてくれるから、冷え性に悩む女性たちにオススメ。独自の伝統茶で作るさっぱりした味のゼリーや、日本人にもなじみの「きなこ」を加えた茶菓子はパーティーの持ち寄りにもよさそう。
漢方をスパイスやハーブのように日常使いする方法も紹介している。漢方は、常備しておけば料理はもちろんお茶として飲んでもいい。インソンさんはよく、10種類ほどの漢方をブレンドしたお茶を友人や料理教室の生徒さんたちにふるまうそうだ。即効性は低いけれど、続けて飲んでいるうちに体が本来持っている力がきちんと働くようになるという。
紹介するレシピはどれも簡単に作れるものばかり。韓国料理だからといって、特別な食材は必要ない。なんと簡単に美人になれることだろう。
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