岡田秀文『首イラズ』発刊記念エッセイ
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ryomiyagi

2020/11/05

新刊『首イラズ』の主人公の周防院円香は、若く美しい未亡人、華族の最高位である公爵、鋭い推理力のみならず、不思議な霊感の持ち主、という女性探偵です。女性探偵は作者にとって初の試みでしたので、新鮮な気持ちで取り組めました。読者の方々にもお楽しみいただければ幸いです。

 

創作活動だけでなく、日々の生活でも、新たなチャレンジというのは大切ですね。 健康目的に筋トレをしているんですが、長年、同じエクササイズを続けているとマンネリ化してきます。そこで、サラリーマン生活をやめた時、「人間鯉のぼり」と「正面水平」という技の練習をはじめました(どんな技かわからない方はググってください)。どちらも会得に数か月かかりました。

 

あれから十年、また新しい技に取り組んでみようと思い立ちました。しかし、十年の歳月は残酷です。確実に老化は進み、肉体は蝕まれ、気力の衰えも留まるところを知りません。

 

そこで十年前にも少しだけ練習し、完成前にやめてしまった「倒立」に再チャレンジすることに。「倒立」、つまりただの逆立ちです。

 

しかし、それだけではやはり面白くないので、やや難易度の高い「伸肘倒立」(これもわからない方はググってください)も同時にやることに。ただの「倒立」は一、二か月で安定してきましたが、「伸肘倒立」はさっぱり形になりません。その後、体調を崩して、練習も中断したりしたのですが、ある日、とつぜんできるようになりました。一度コツをつかんでしまえば案外、簡単でした。振り返れば練習をはじめてちょうど一年が過ぎていました。

 

最近、何かと落ち込むことが多かったんですが、この歳で新しいことを成し遂げたのは大きな自信となりました。みなさんも何かにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

 

 『首イラズ 華族捜査局長・周防院円香
岡田秀文/著

 

【あらすじ】
大正時代、警視庁に「華族捜査局」が新設された。公爵で局長の周防院円香と、警部補の来見甲士郎は、九鬼梨伯爵家で起きた「生首」連続殺人事件に取りかかる。これは伯爵家の相続争いか、はたまた“呪い”の仕業か。絢爛たる大正時代ミステリー。

 

【PROFILE】
おかだ・ひでふみ 1963年、東京都生まれ。明治大学卒業。1999年「見知らぬ侍」で第21回小説推理新人賞を受賞しデビュー。2002年『太閤暗殺』で第5回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞。近著に『戦時大捜査網』など。

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