憧れを最速で手に入れる、お金と時間の考え方 同時通訳者が教える「最速成功哲学」(3)
ピックアップ

ryomiyagi

2020/12/16

同時通訳者として活躍すると同時に、英語教育者としても知られる小熊弥生さん。自身が英語力を伸ばすために苦心して身につけた効果的な学習法や、最短で目標を達成するノウハウを本書で解き明かします。その秘訣は、「言葉の格闘技」と呼ばれる過酷な同時通訳の現場を経験する中で見出した「憧れを最速で手に入れる時間とお金の使い方」でした。

 

 

脳のサーチエンジンを使い倒す

 

同時通訳者の小熊さんが何千人もの英語学習者と接してきて感じることは、「もっと成長したい」「でも、私には無理」と、伸びようとしているのに、自分で自分の頭を押さえつけている状態になっている人が多いということ。
その根底には、過去に否定的なことを言われたり、失敗したりして傷ついた経験があると言います。失敗した経験が記憶にあると、脳は自分を守ろうとして、失敗を避けるような行動に仕向けてしまいます。

 

小熊さん自身、通訳者としてうだつが上がらなかった20代の頃は、「私はダメ」「できない」といった言葉ばかり入力していたそうです。ネガティブな言葉ばかり入力していると、脳はその通りに動いてしまい、実力を発揮することを妨げてしまいます。

 

でも、過去に失敗したからといって、未来でも失敗するとは限りません。
とにかく脳のサーチエンジンに「できる」と入力すること、これが重要なのです。
「できる」と思っているときと、「できない」と思っているときでは、まったくパフォーマンスが違ってきます。

 

目標に向かって進んでいこうとするとき、「脳内サーチエンジンに」正しい言葉を入力することが最も重要です。
脳をもっとも効果的に機能させるうえで大切なのが、「網様体賦活系=RAS(Reticular Activating System)」を理解することです。RASは、頭蓋骨の真ん中にある視床で感覚神経と繋がっていて、神経系からの情報を集めて脳内に届けたり、大脳からの指示を体に伝えたりしています。
目や耳、触覚などから入ってくる膨大な情報を選別して、必要な情報だけをキャッチして脳がスムースに働くのです。

 

脳は気持ちの良い感情に敏感。自分を褒めて伸ばそう

 

脳内サーチエンジンに正しい言葉を入力する。これが最初は意外と難しく、多くの人は無意識のうちに「難しい」「やっぱり無理」と思い込んでしまいます。最初のうちは、「できる」「目標を達成する」「私は夢を手に入れる」と声に出したり、紙に書いて目に見えるところに貼っておいたりして、無意識の中の邪魔なものを追い出すことが大切です。
さらに言えば、どんな小さなことでもいいからチャレンジして、1ミリでも成長したら自分を褒めて、思いっきり喜ぶことが効果的です。

 

隙間時間を意識して使う

 

また、多くの人がつまずきやすい「時間がない」パターン。いつも「時間がない」と思い込んでいると、それが固定観念になってしまい、空いているはずの時間を有効に使うことができなくなってしまいます。反対に「時間がある」と思えば、脳が使える時間を見つけてくれるのです。
たとえば「また仕事が終わらない」「土日は家事で忙しい」「子どもがまだ小さいから無理」「親の介護があるから無理」ではなく、「時間がある」「工夫次第で時間はつくれる」と脳に指示をすることで、時間のやりくりができるようになります。

 

小熊流時間術で大切なのが、目、耳、口、手を分けて考えること。

 

たとえばオンライン会議。他の人の話を聞いているだけでいいときはビデオをオフにして、耳を傾けつつ、ちょっとしたことを並行しながら済ます。待ち合わせや移動中などの隙間時間には、読む本や資料を用意しておいて、5分、10分の隙間に読んでしまえば、オフィスに戻ってから資料を広げる時間を省く。1回5分、10分でも、1週間、10日、1カ月と続ければ、その積み重ねは何時間にもなります。
小熊さん自身そうやって、TEIC280点から3年で960点までスコアを上げることができたのです。

 

「お金のあるなし」も脳内サーチエンジンの使い方次第

 

成功への道を進んでいくとき、お金も引き寄せられるかどうかは重要な問題です。
自分に投資するお金がないために、夢を諦めてしまう人もいます。
これも、「お金がない」と、いつもお金に対してネガティブな思いを持っていることが足かせになる場合があります。同じ金額でも、「お金がこんなにある」「ほしいものが買えた。良かった」と、お金にポジティブな思いを持っていると好循環が生まれます。
逆に、「お金は汚いものだ」「騙されてお金を失うくらいなら、お金なんかないほうがいい」など、お金に対する嫌悪感や恐怖心が強いと、お金は逃げていってしまいます。

 

20歳のときには所持金6円。それを乗り越えて年収1000万円を手にしたのに、投資詐欺に遭って2000万円を失った苦い経験のある小熊さん。起業後も、経営者として失敗と成功を繰り返してきました。
帰国子女でもないし、留学経験もない、お金もないと、ないない尽くしの状態から、世界一の人たちからの依頼が絶えない同時通訳者になった小熊さん自身が、「最速成功哲学」を体現しています。
本書を片手に、正しい脳のサーチエンジンの使い方を試してみてください。

 

文/木本真澄

関連記事

この記事の書籍

『世界一100人を同時通訳してわかった「最速」で結果を出す人の成功哲学』

『世界一100人を同時通訳してわかった「最速」で結果を出す人の成功哲学』

小熊弥生

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitterで「本がすき」を

この記事の書籍

『世界一100人を同時通訳してわかった「最速」で結果を出す人の成功哲学』

『世界一100人を同時通訳してわかった「最速」で結果を出す人の成功哲学』

小熊弥生