行動すれば道は開ける。禅の暮らしが教えてくれる、不安の乗り越え方
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BW_machida

2021/06/21

新型コロナウイルスの世界的な流行は、これまでの暮らしをがらりと変えてしまった。かつて経験したことのない事態に不安や悩み、ストレスを感じている人もいるのではないだろうか。あるいは人を攻撃したり中傷したりする情報に振り回されて、息苦しい思いをしている人もいるかもしれない。住職であり、国内外で活躍する庭園デザイナーでもある著者が綴るのは、次々にやってくる心配事を力に変えていく、そんな禅の暮らし方だ。

 

パンデミックは私たちの暮らしに不自由を強いたが、同時に大切なことを思い出させてくれた。友人や家族の尊さ、無事に一日を過ごし、明日を迎えられることの喜び。死や別れは、これまで以上に私たちの身近なところにある。

 

禅の世界において、命は「お預かりもの」らしい。命の背後には想像を超える数多の命が連なっており、そのうちの一人でも欠けたら今の自分が存在することはない。「命はご先祖様たちが、途切れることなく、永永とつないできてくれた結果」として今、ここにあるのだ。故に、命はご先祖様たちからお預かりしているものなのだという。そして預かりものである以上、疎かに扱ってはならない。

 

「お預かりしているものは、最後まで大切に守り抜く。禅では生まれてから死ぬまでの期間を寿命ではなく、『定命(じょうみょう)』といいますが、その定命が尽きるまで、大切にしていくのが、命との基本的な、そして絶対忘れてはいけない向き合い方です。」

 

こうした考えに立ってみると、命に対する向き合い方も変化するのではないだろうか。死を考えるということは、生について考えるということでもある。生は限りあるもの、そう気づくことで生きている瞬間を大切にしようとの思いが湧くのだと著者は語る。

 

「もし、死を思うことがあったら、そこに立ち戻ってください。『なにがあっても守り抜く』という心のかまえをもてば、そう覚悟を決めたら、動くことができます。どんなに厳しい状況でも、行動すれば道は開けるものです。」

 

コロナ禍で自殺の問題が注目される中、著者が説くのは行動することの重要性だ。今この時、自分がいる場所で為すべきことを精一杯に行うことを禅語で「即今、当処、自己」と表現する。あるいは「禅即行動」という言葉は、不安を抱えた状況から抜け出す最良の方法とは動くこと(行動すること)であると私たちに教えてくれる。

 

欲に囚われず、不安を断ち切り、心身ともに心地よい暮らしを送るにはどうしたらよいのだろうか。著者は「心配事とは人生の課題である」と説く。不安と戦い、悩み続けることは人の成長を促してくれる。やがて課題を乗り越えた先にあるのは、ひと皮むけて成長した自分の姿だ。

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