BW_machida
2020/06/24
BW_machida
2020/06/24
※本稿は、麻生れいみ『長生き食事術 人生100年時代の「新・栄養学」入門』(光文社新書)の一部を再編集したものです。
生涯現役でいるための食事の柱となるのは、糖質量のコントロールです。日本人は平均すると1日240gの糖質を摂っています。これを減らしていくのです。
コツは3つのステップに分けて行うこと。それは「導入期」 「減量期」 「維持期」という次の3つのステップです。
ステップ1 導入期(糖質を極力ゼロに近づける)まずは1週間、いけそうなら、さらに1週間
ステップ2 減量期(糖質1食当たり20 g以下、1日60 g以下)~3か月間
ステップ3 維持期(糖質1食当たり20 ~40 g+間食10 g以下、1日70~130g以下)
導入期では、主食、甘いお菓子、甘い果物、イモ類といった糖質を極力断ってください。
ご飯もパンも食べないなんて無理……。初めはそう思い込んでいても、期間限定ですからやってみると案外簡単に糖質は断てます。
私のクライアントにも、「始める前は私には絶対できないと思っていたけれど、“案ずるより産むが易し”で結構できちゃうものですね」と明るい笑顔でおっしゃる方が大勢いらっしゃいます。
たった2週間で、人生100年時代を元気に生き抜く食生活の扉が開けるわけですから、スタートダッシュを決めてください。
糖質制限には、緩やかに始める方法もありますが、私はあえていきなり糖質を極力ゼロにするように指導しています。それには次のような理由があります。
ダイエットのような食事改善は、初めのうちほどモチベーション(やる気)が高いもの。しかしながら食事改善は魔法ではありませんから、効果が出るまでに少し時間がかかります。「ローマは一日にしてならず」というように、食事を変えても1日や2日で目に見える変化が出るものではありません。
この“時差”に気づかないと、「頑張っているのにまったく効果がない!」と誤解して、食事改善を諦めてドロップアウトする恐れがあります。
ですから、あえて緩やかに糖質制限を始めるのではなく、初めにガツンと糖質を断ってもらいます。
それによって血糖値スパイクが避けられて、血糖値が安定してくると、食後の眠気やイライラもなくなり、頭がクリアになります。疲れも抜けやすく、朝からアクティブに動けるようになってきます。
減量効果も抜群。糖質を断つと、代わりにエネルギー源として体脂肪が使われるようになります。それにより、贅肉がみるみる落ちてきます。
むくみも解消します。むくみとは、体内に余分な水分が溜まった状態。
糖質を1gためておくのに3倍の3gの水が必要です。糖質を断つと、体内にためられていたグリコーゲンという糖質が動員されるようになります。そこで糖質とくっついていた水が外れて体外に排出されるため、むくみが解消されるのです。
こうしたよい変化が感じられるので、「これからも頑張って糖質オフを続けよう」という前向きな気分になり、ドロップアウトのリスクが避けられます。
糖質を断とうとしても、野菜や大豆などにも糖質は含まれていますから、最低限の糖質は入ってきます。糖質を摂らないと頭が回らないというのは俗説。糖質を減らしても、頭もカラダもちゃんと働きます。
大事なのは、カロリーを必要以上に減らさないこと。糖質を減らした分、肉や魚などからのたんぱく質と脂質の摂取を増やし、ビタミンやミネラルや食物繊維が豊富な野菜、海藻類、キノコ類をたっぷり食べるようにしてください。
「糖質を摂らないと頭がぼーっとする」「糖質を減らすと力が出ない」とおっしゃる方もいますが、それは糖質と一緒にカロリーまで減らしているケースが大半です。
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