自分なんて大嫌い……深い自己否定感を克服する4つの方針
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ryomiyagi

2021/11/10

 

まずは、下記の質問に対し、過去数年間のご自分の傾向を思い浮かべながら、何項目当てはまるか数えてみてください。

・大切な人に捨てられるのではと不安になって、必死にしがみついたり、そうさせまいとして相手を困らせたことがある。

・相手を理想的な人だと思ったり、ひどく幻滅したりの落差が激しいほうだ。

・自分は本当はどんな人間なのか、わからなくなることがある。

・衝動的に、危険なことやよくないことをやってしまうことがある。

・自殺しようとしたり、そうすると言って周囲を困らせたことがある。

・一日のうちでも、気分が両極端に変わることがある。

・いつも心のどこかに、空虚な感じがある。

・些細なことでも、思い通りにならないと、激しい怒りにとらわれることがある。

・思い込みにとらわれたり、記憶が飛ぶことがある。

5項目以上当てはまったら、「境界性パーソナリティ障害」の可能性があります。

 

「境界性パーソナリティ障害」の人は、自分をつまらないものと思っています。自分のことを嫌い、醜く存在価値がないと感じているのです。こうした深い自己否定感は、生まれつきのものではなく、親との関係性でできたものです。

 

「境界性パーソナリティ障害」を克服するために役立つ4つの方針があります。

 

1.何事も半分くらいで抑えておくこと

 

気分も考え方も両極端なのが境界性の人の特徴です。「オール・オア・ナッシング(全か無)」で、理想的なパーフェクトか、そうでなければ無価値で、その間がないのです。ただ、わかっていても両極端の考え方から抜け出せないのが境界性の人なのです。

 

愛でも怒りでも、一気に燃え上がって相手を貪りつくしてしまう。しかし、相手のことを大切に思うなら、少しずつ関係が深まっていくようにすると、バランスが保ちやすく、気持ちも安定します。うまくいかないことがあった時、「全部うまくやれるより、時々しくじったほうが長い目で見ればうまくいくもの」と思えるようになると安定していきます。

 

 

2.落ち込んだら休むこと

 

小さな子が疲れたり眠くなるとぐずるように、境界性の人は疲れがたまると不機嫌になったり落ち込みます。落ち込んだ時には、いろいろ考えずにのんびり休んでいいのです。

 

よい時には頑張りすぎず、悪い時にはゆったりするようにします。まずはゆっくり眠ること。そうすると気持ちも上向きになっていきます。

 

3.親を卒業すること

 

境界性の人は、親、特に母親への強い執着を持っています。愛されたい気持ちと、怒りや否定の気持ちがごちゃまぜに存在しているのです。はじめのうちがそれがわからず、誰か他の人に救いを求めたりします。少したつと、この苦しみが親へのこだわりからくるとわかります。ここからは、その次の段階が大切になります。

 

そのためには、問題を隠そうとするより本音でぶつかることです。「よい子」の仮面を捨てて、本音で向き合うことで、親もごまかすのをやめるでしょう。不都合な事実にしろ向き合うことで、親との本当のつながりを回復させるチャンスも生まれるのです。「親にも問題はあったけれど、親にもそうならざるを得ない事情があったのだ」と納得できる場合もあります。がっかりする反応しか返ってこないとしても、諦めがつきやすくなるのです。それが、親を卒業する第一歩となります。

 

4.人に寄りかかりすぎずに自分の足で立つこと

 

境界性の人が本当の意味で障害を克服するためには、自分で自分の問題を引き受けようと心に決めることが大切です。何かが起こった時に、「人のせいにしたり人に頼っているうちは、本当の解決にならない」と気づくことです。

 

そのためには、一人で過ごす時間を大切にすることです。読書をしたり日記をつけたり、一人でできる趣味を見つけるのもいいでしょう。好きな人がそばにいなくてもその人を信じられるようになったら、この障害は克服できているのです。

 

※この記事は『マンガでわかるパーソナリティ障害』(漫画:松本耳子、監修:岡田尊司、光文社刊)より抜粋したものです

 

マンガでわかるパーソナリティ障害
松本 耳子/著

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岡田尊司/監修 松本耳子/漫画

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