3万シェア手抜き料理研究家の哲学「高くて美味しいは当然」
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18歳未満の子どもがいる母親のうち、仕事をしているいわゆる“ワーキングマザー”の割合が68%を超えたとのデータがある(2015年国民生活基礎調査)。夫はサラリーマン、妻は専業主婦という図式はとうの昔に崩れ、働く女性は今や世の中のスタンダードのようだ。

 

効率的に家事をすることで、自分の時間を少しでも捻出できる――。ワーキングマザーのそのような思いからか、書店ではいま「作りおき」「時短」「冷凍」関連のレシピ本が、軒並みベストセラーとなっているという。本日発売となったレシピ本『世界一美味しい煮卵の作り方――家メシ食堂 ひとりぶん100レシピ』(光文社新書)の著者・はらぺこグリズリー氏の肩書きは、なんと「手抜き料理研究家」。

 

え、手抜き?「料理研究家」というと、有名シェフや料理人、料理専門学校の名物講師などきちんと手間ひまかけて丁寧に料理を作るイメージがある。「手抜き」などという単語は、最も縁遠い職業のはず。だがその著書を繙くと、手抜き料理研究家・はらぺこグリズリー氏の「哲学」を垣間見ることができた。曰く――

 

「値段が高くて手間がかかっていれば美味しくて当たり前だよ」

「適当で楽で安く済んで、でも美味しい料理こそ、本当に必要な料理じゃないだろうか」

「代用食品や市販の調味料を上手に使う」

「『よくわからないクセに高い食材』を全て排除」

 

はらぺこグリズリー氏は、「100人が作って100人が美味しく再現できるレシピにしたい!」という熱い思いからブログを開設、著書執筆に至ったという。レシピ内容も挑戦的だ。

 

・材料ひとつひとつを1円単位で明記。

・「適量」「少々」といった曖昧な表記はしない。

・食材はスーパーなどで簡単に手に入るもの

 

とにかく簡単で実用的、おまけに懐にも優しくコスパもよい。まさに女性のためのレシピ本なのだ。内容を見てみると、「世界で一番美味しい煮卵の作り方」「世界で一番美味しいトマトソースの作り方」「世界で一番美味しいパスタの茹で方」「世界で一番美味しいバターチキンカレーの作り方」「世界で一番簡単なピザの作り方」「伝説の卵かけごはん」といったレシピがズラリ。

 

また「最速1分以内に完成するおつまみ」「パンの耳を使った0円でできるお菓子」「味と手間と安さのギリギリのバランスを追究したおかず」「電子レンジやオーブントースターをフル活用して効率化、簡略化」「キッチンペーパーに麺つゆを含ませることで、調味料を大幅に節約」など小さなテクニックから、食材や調味料の意外な使い方まで盛りだくさんだ。

 

手抜きしたっていい。そう言われると、毎日億劫だった料理へも、少しだけ前向きになれる気がする。たしかに簡単で美味しいからこそ、料理のモチベーションも湧いてくる。本書は「手抜き」することで、自分に投資する時間や家族との大切な時間を生み出す、愛に溢れた一冊なのかもしれない。

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世界一美味しい煮卵の作り方

世界一美味しい煮卵の作り方家メシ食堂 ひとりぶん100レシピ

はらぺこグリズリー

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はらぺこグリズリー