akane
2018/10/25
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2018/10/25
私たちは地球の上に住んでいるので、横方向へはいくらでも移動できる。電車に乗れば100キロメートルほど移動することもたいしたことではない。だが、上下方向へはなかなか大きく移動できない。飛行機に乗ったとしても、その高さは高くてせいぜい10キロメートルほどだ。
つまり、私たちが経験できる範囲の世界の姿というのは、地球の表面上に限られている。地球の半径は約6400キロメートル。私たちはその表面上にへばりついて生活しているのだ。
では、私たちの住んでいるこの世界というのは、どんなところなのか。宇宙全体の中で、どんな位置にあるのか。
街明かりの届かない場所へ行って月の出ていない暗い夜空を見上げると、目が慣れるにしたがって天の川が見えてくる。薄ぼんやりと光る光の連なりだ。
この天の川というのは、個別には見えないほど暗い星がたくさん集まって見えている姿で、天の川は全体として円盤状をしている。それが天の川銀河であり、太陽もその中に含まれている。
天の川銀河は宇宙に無数に存在する銀河のひとつだ。天の川銀河の隣ともいえる場所には大マゼラン雲と小マゼラン雲という小さめの銀河があり、地球から見てそれぞれ約16万光年と約20万光年の距離にある。天の川銀河の大きさが10万光年であることを考えれば、ほとんど天の川に寄り添うように存在している。
天の川銀河よりも大きな銀河で、天の川銀河の一番近くにあるのがアンドロメダ銀河だ。
アンドロメダ銀河はマゼラン雲よりも10倍以上遠くにあり、地球からの距離は約250万光年ほどだ。
アンドロメダ銀河と天の川銀河はお互いに近づきつつあり、このままいけば約40億年後には衝突すると言われている。この二つの銀河が衝突すれば、それらの形は大きく変形し、いずれは一体化して一つの大きな銀河になると考えられている。
天の川銀河のまわりには、マゼラン雲やアンドロメダ銀河のほかに多数の矮小銀河が立体的に分布している。そうした銀河は50個以上あり、それらが分布している領域の大きさは差し渡し1000万光年ほどだ。これらの銀河をまとめて「局所銀河群」と呼ぶ。
局所銀河群の中で最も大きな銀河がアンドロメダ銀河で、その次に大きいのが天の川銀河、3番目に大きいのがアンドロメダ銀河のそばにあるさんかく座銀河だ。
局所銀河群は重力的に束縛されているので、この銀河の集団をひとまとまりの天体と考えることが可能だ。今から1000億年後から1兆年後までに、これらの銀河は合体してひとつの大きな銀河になってしまうと考えられている。
私たちの天の川銀河は局所銀河群に属しているが、特定の銀河団には属していない。私たちの一番近くにある銀河団は、地球から見ておとめ座方向にあるおとめ座銀河団だ。
おとめ座銀河団は約1300~2000個ほどの銀河の集団であり、大きさは差し渡し1500万光年ほどだ。その中心は地球から5400万光年ほど離れたところにある。
一般に、銀河団は数十個程度から数千個程度の銀河の集まりであり、大きさは数百万光年から数千万光年ほどである。それより大きな銀河の集団は「超銀河団」と呼ばれる。
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以上、『図解 宇宙のかたち』(松原隆彦・高エネルギー加速器研究機構(KEK)素粒子原子核研究所教授:著、光文社新書刊)から抜粋・引用して構成した。
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