2018/12/12
DaiGo メンタリスト
『赤を身につけるとなぜもてるのか?』文藝春秋
タルマ・ローベル/著 池村千秋訳
原題は「SENSATION」というものです。
これはいわゆる、身体化された認知(embodied cognition)についてまとめた本で、結構面白いです。ただ、タイトルにある「赤を身につけるともてる」という説は最近になって疑問視されてきています。まさに前回に書いた「研究が覆る」例ですね。
でも、それ以外に関しての利用価値はあります。
身体化された認知というのは、人間が身体で感じるものとか目で見るものが人間のメンタルにだいぶ影響を与えている、ということです。
例えば、ふかふかのソファーに座っているとき、一緒にいる相手が優しい人に見える。温かい物を持っている時に、会話している相手が温かみのある人だと思う。
つまり、身体が受け取る感覚によって、人間のメンタルや判断が変わってくるということです。
香りとかも同様です。香りが良いところで会話していると説得される確率が上がとか、コーヒーを飲んでる時は2倍ぐらい説得される確率は高い。
自分が触れているものの感覚、自分の周りの環境によって人間のメンタルは変わるんです。
香りだけで列挙すると、ミントの香りを嗅いでいる時は運動能力や集中力が上がる、ゼラニウムを嗅いでいる時は会話が弾む、ラベンダーを嗅いでいる時はリラックスするとかとても話がわかりやすくまとめているので、各章末のまとめを読むだけでもためになります。
比較的科学的根拠が強いものをまとめているのが、この本の素晴らしいところです。
『赤を身につけるとなぜもてるのか?』文藝春秋
タルマ・ローベル/著 池村千秋訳