古市憲寿

社会学者

1985年東京都生まれ。社会学者。『絶望の国の幸福な若者たち』(講談社)で注目を浴びる。

古市憲寿のレビュー

• 2018/12/10

  「車椅子ホスト」は、身体の障害よりコミュニケーションで挫折、成長する『車輪の上』

  『車輪の上』講談社 乙武洋匡／著     主人公は、子どもの頃から車椅子生活を送る河合進平。大学を卒業した彼が、ひょんなきっかけでホストになるところから物語は始まる。「車椅子ホスト」小説である。 &n […]

• 2018/09/25

  ●●●にとってドイツは地獄！？26才女子が日本とドイツをくらべてみました『日本人とドイツ人』

  『日本人とドイツ人』新潮新書 雨宮紫苑／著     海外を褒めて日本を腐す。よくそんな主張を目にする。確かに部分的には正しいのだろう。たとえば保育園の整備状況など、子どもの育てやすさを考えれば、日本よ […]

• 2018/08/27

  世間体という壁、世間体という希望――ほのかな救いを感じさせる介護小説 『私が誰かわかりますか』

  『私が誰かわかりますか』朝日新聞出版 谷川直子／著     主人公は、再婚をきっかけに地方に移住した売れないイラストレーター。彼女は「長男の嫁」であることが理由で、アルツハイマー病に罹患した義父の最期 […]

• 2018/07/03

  絶望の淵にある子どもをいかに救うか、真摯に考える『いじめで死なせない』

  『いじめで死なせない』新潮社 岸田雪子／著   暴行、傷害、脅迫、器物破損、強盗。 大人の世界では法律によって「罪」として裁かれることが、ある場所ではある言葉によって曖昧にされることがある。 「学校」における「 […]

• 2018/06/21

  危機感を煽るだけの俗説に、冷静な突っ込みを入れる『「AIで仕事がなくなる」論のウソ』

  『「AIで仕事がなくなる」論のウソ』イースト・プレス 海老原嗣生／著   厚生労働省の会議で海老原嗣生さんと一緒になったことがある。すごかった。参加者が机を囲み大人しく議論していたのに、急に席から立ち上がり、ホ […]

• 2018/05/14

  大家が教えてくれる、自由で楽しい社会学『社会学 わたしと世間』

  『社会学　わたしと世間』中公新書 加藤秀俊/著   社会学者を困らせたかったら、「社会学って何ですか？」と聞くのがいい。それくらい「社会学」の定義は無数に存在し、しかもその多くは抽象的で理解しにくい。 何とか「 […]