akane
2018/05/07
akane
2018/05/07
Genre: Funk, Rock, Soul
One Nation Under a Groove – Funkadelic (1978) Warner Bros., US
(RS 177 / NME 213) Score: 324 + 288 = 612
※100位、99位、98位の3枚が同スコア
Tracks:
M1: One Nation Under a Groove, M2: Groovallegiance, M3: Who Says a Funk Band Can’t Play Rock?!, M4: Promentalshitbackwashpsychosis Enema Squad (The Doo Doo Chasers), M5: Into You, M6: Cholly (Funk Getting Ready To Roll!), M7: Maggot Brain / Chant (Think It Ain’t Illegal Yet!) (Live), M8: Lunchmeataphobia (Think! It Ain’t Illegal Yet!), M9: P.E. Squad / Doo Doo Chasers
直訳すると「ファンク顕現」とでもすべきバンド名は、もちろん「サイケデリック」という語の転用だ。「パーラメント(国会)」という名を持つ兄弟バンドとともに、「総帥」ジョージ・クリントン率いるファンク音楽集団(Pファンク)のなかで大活躍した彼らは、つねにファンクとロックの接点を模索し続けた。その到達点のひとつと言えるのが、10枚目のスタジオ・アルバムである本作だ。
象徴的なナンバーは、「ファンク・バンドがロック演れないなんて、誰が言った?」という意味のタイトルを持つM3、まさに「ギター・ソロ弾きまくり」の痛快作となっている。たとえばジミ・ヘンドリックスから、のちの世のレニー・クラヴィッツまで、聴く者の脳裏につぎつぎとその姿が浮かんでも不思議はない。アナログ盤時代にはボーナスEPに収録されていたM8など、レッド・ホット・チリ・ペッパーズの直系の先祖と言うべきか。いずれもホットで、ダンサブルで、グルーヴィで、そしてまぎれもなく「ロック」な歓びに満ちあふれた名演だ。
ファンクとは、なにか。60年代にその様式が固まった音楽スタイルだ。アメリカの黒人音楽家たちがおもにその発展を先導した。16ビートで、フレーズやリズムの反復が多く、カッティングを主体としたギターと「グルーヴ」を生じさせるために芸のかぎりをつくすベースを特徴とする(本作でも、もちろん名手ブーツィー・コリンズがベースを弾いている)。
ファンクの開祖は、ジェームス・ブラウン(JB)だと目されている。そしてこの様式は、それまでの黒人音楽の集大成でもあった。ブルース、リズム&ブルース、ソウル(それからジャズも)の「先にあった」ものがファンクであり、発見されたばかりの「新しいやりかた」が世に出たとき特有の輝きが、70年代のファンク音楽には充満している。これらのレコードからサンプリングするところから、ヒップホップ音楽は発展していったのだが、そのときのソースとしてJBとともに最高峰に位置していたのが、ファンカデリックを含むPファンク軍団だった。
本作はアメリカでプラチナム・セールスを記録。タイトル曲はバンドの代表曲となったのみならず、ファンクを、ファンキー・ビートを、あるいはグルーヴィ音楽を愛する地球上の人々全員のテーマ・ソングとして、ずっと定着している。
※凡例:
●タイトル表記は、アルバム名、アーティスト名の順。和文の括弧内は、オリジナル盤の発表年、レーベル名、レーベルの所在国を記している。
●アルバムや曲名については、英文の片仮名起こしを原則とする。とくによく知られている邦題がある場合は、本文中ではそれを優先的に記載する。
●「Genre」欄には、収録曲の傾向に近しいサブジャンル名を列記した。
●スコア欄について。「RS」=〈ローリング・ストーン〉のリストでの順位、「NME」は〈NME〉のリストでの順位。そこから計算されたスコアが「pt」であらわされている。
●収録曲一覧は、特記なき場合はすべて、原則的にオリジナル盤の曲目を記載している。
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