akane
2019/06/21
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2019/06/21
みなさん、こんにちは。3時代を駆け抜けた毛髪診断士の余慶尚美です。
爽やかな季節もあっという間に過ぎ、いよいよ蒸し暑い季節になりましたね。本格的に髪のうねり、広がりが気になり、暴走気味の髪を一本に束ねるしか解決法がないように思えるこの季節ですが、今年はこちらのコラムを読んでいただき、湿気に負けずキラキラと輝くサラサラ髪への一歩にしていただきたいと思います。
髪の「うねり、広がり」の大きな原因として先ず考えられるのが「髪質」そのものと「頭皮の毛穴」の問題です。
両方とも加齢が原因でトラブルが起きると思われがちですが、最近では、20~30代の若い世代にも多くみられる悩みです。今回は、この2つを中心に原因と対処法をご紹介しましょう。
最初に髪の構造についてお話しましょう。
髪は3種類の層で構成されており、おにぎりに例えると 「海苔、ごはん、具」 にあたります。一番外側の「海苔」が、ご存知の方も多い「キューティクル」で髪を保護し、毛髪内部からの栄養成分の流出を防ぎ、光沢を与えてくれる層。そして髪全体の90%を占める「ごはん」の部分が、「コルテックス」と呼ばれるケラチンたんぱく質などで作られおり、最後の「具」が「メデュラ」という髄質、骨にあたる層になります。
大部分を占める「コルテックス」は、健康な髪に見られるハリコシといった弾力や強さを生み出す大事なところですが、年齢とともに痩せてくることが分かっています。これは、女性の更年期世代以降に見られる「骨密度が下がる」ことに似ています。骨のように髪密度も痩せ、髪の内部がスカスカな部分とそうでない部分のバラツキが生じます。そうなると、髪内部のバラツキを覆う「キューティクル」にも自然と 凸凹が生じ、それが「うねり」として現れるのです。凹凸が生じたキューティクルは、光の透過と反射が上手くいかず、さらにキューティクルを傷め、パサつき、湿気による「広がり」も目立ちやすくなるという負のスパイラルに陥ります。
エイジングだけがうねりの原因ではありません。
髪の毛が痛む主な原因には「熱」(※同じところに、およそ3秒以上、高温をあてることによるダメージ)、「摩擦」や「紫外線」などの物理的要因、さらにはパーマやカラーなどの化学的要因もあります。それらのせいで、一度ダメージヘアになってしまうと、余分な水分を弾き、油馴染みをよくする「疎水性」が失われ、また、毛髪を保護するはずのキューティクルが広がり、外部からの影響を受けやすくなります。同時に、毛髪内部の栄養成分が流出してしまい、髪内部の髪密度にバラツキが生じ、「加齢によって髪密度が痩せる」ことと同様にうねりや広がりなどが起こりやすくなるのです。
また、ダメージヘアは健康な髪に比べて、水分吸収量が増え、広がりが大きくなります。これは、乾いて硬くなったスポンジを水に浸すと軟らかくなり、大きくなるのと同様のことです。更に、本来、まっすぐに結合していた髪内部の物質同士が 、湿気(水分を吸収すること)によって、結合がはずれ、ずれた状態で結びつくことでうねりの原因にもなっています。
そもそも髪は水分によって長さ、太さ、重さが変わります。しかし膨張しようとする力と髪本来が持っている縮もうとする力が作用しあってその力が釣り合った状態になると、水分吸収をしなくなります。しかしダメージヘアは髪本来の縮もうという力が作用し辛く、その分だけ横に広がって水分吸収量が増えていき、髪の広がりを招くのです。
髪は角化した細胞、つまりは死んだ細胞なので、自らの力で修復することはできません。つまり私たちが何らかの形で補修してあげるしか「うねり、広がり」を解決する手段はありません。
そのためには髪内部へ栄養を送りながら、損傷したキューティクルを補修、保護することが必要です。そこで大切なのが、「トリートメント、マスク、パック」などのスペシャルケアをしっかりと丁寧にすること。
ここで、私が実際に使ってみて良かったものを幾つかご紹介します。
写真1 ErAL PREMIER バランシングシャンプーSY、セラムトリートメントMS
写真2 ミネコラリダクションフォーム(水素トリートメント)、アクティブスパフォーム(炭酸泡シャンプー)、リッチトリートメント(抗酸化トリートメント)
また、インバスでダメージが修復された髪には「洗い流さないトリートメント」を積極的に活用するのもおすすめです。健康な髪は油馴染みもよくなるので、使い続けることでキューティクルを更に保護できるようになります。ダメージヘアは、キューティクルも薄くなっているので浸透力の高めのオイルなどを選び、しっかりと栄養を補給してあげましょう。また、湿気も弾いて髪を保護してくれるので、うねり、広がりも抑えられます。
髪が硬く、多い毛には、モロッカンオイルのような重めのヘアオイルやクリームタイプなど「しっとりタイプ」を選ぶのがおすすめ。髪が柔らかい、細くてからまりやすい毛などには、揮発性シリコン配合のオイルで軽めで仕上げるのもいいでしょう。
私の個人的なお気に入りは、アロマ効果も抜群なukaのヘアオイル「Rainy Walk」です。
ただ、広がりパサつき髪の方は、パサつきを抑えるために、過剰にトリートメント剤を使ってしまう傾向にあります。そうすると、被膜過多になりすぎ、髪がべっとりと重い印象となり、毛穴の詰まりにもつながります。そうならないために、定期的に炭酸クレンジングやクレイ配合のヘアケア製品などで古い被膜や毛穴のつまりを落とすことも心がけてください。スペシャルヘアケア効果もより上がり、健康なうねりや広がりのない髪になっていくでしょう。
今回はヘアケアのおすすめをご紹介しました。次回は、頭皮の健康から「うねり」にアプローチする方法をお伝えしたいと思います。
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