akane
2019/08/16
akane
2019/08/16
みなさん、こんにちは。3時代を駆け抜けた毛髪診断士の余慶尚美です。
今回は、紫外線の強い時期に特に気を付けたい、髪の痛みを加速させてしまうアクションについて。
気づかずにこんなこと、していませんか?
紫外線を長時間受けると、髪を保護する「キューティクル」が劣化、剥離し、乾燥だけでなく、髪のハリコシや色素、ツヤも失われます。
キューティクルは、髪の表面をコーティングし、光沢を与え、髪内部の栄養成分の流出を防いでくれます。その構造は、ミルフィーユのように薄い層が重なり合っていて、硬い髪では10枚ほど、そして柔らかい髪の場合は3枚ほどしかありません。さらに、このキューティクルには水を吸うと開くという性質もあります。これからの季節、朝シャワーを浴びる事も多いでしょう。しかしそのまま完全に乾かせずに外出すると、髪を保護するべきキューティクルが開いたままの状態で、紫外線を髪の内部まで通してしまいます。その結果、髪内部の栄養成分が流失し、髪内部の空洞化につながり、更に髪のダメージが進行してしまうのです。
そして、夏のレジャーといえば「海」。 皆さんの中には、海で遊んだ後、髪、頭皮のダメージが一気に進んだと感じられた方が、たくさんいると思います。
海水は塩化マグネシウムや硫化カルシウムを含み、髪がぎしぎし、パサパサになるだけでなく、弱アルカリ性という性質も持っています。髪を構成する成分のケラチンはアルカリ性に弱いため、海水がついたままで過ごしているとケラチンが溶け出して髪を傷めてしまうのです。
加えて、これから季節の陽射しは強烈です。太陽の光を長時間浴びた頭頂部の温度は50~55度くらいになると言われており、熱に弱い髪にはダメージ大。そのうえ海水でキューティクルが開き、保護作用が低下し、ケラチンの酸化がさらに進みます。
「夏」→「熱」&「海水」=「髪のダメージ」ということを充分に肝に銘じておきましょう。
また、海水を浴びた髪は、シャンプーの泡立ちが悪いですよね。それは、髪の内部に海水のミネラルが入り込んでしまい、シャンプーの活性能力が低下してしまっているためです。そういう時は、まず、充分にお湯で予洗いした後、シャンプーをすることで海水によるダメージを少しでも和らげます。そして、日焼けした髪の表面と内側を修復するために、しっかりとトリートメントも忘れずに。トリートメント効果を持続させるためにも、頭皮と髪は自然乾燥でなく、ドライヤーできちんと完全に乾かしてくださいね。
炎天下に長時間いるなどして、紫外線を思いのほか浴びてしまい、頭皮が熱をもった場合は、まずは、氷などで冷やして皮膚の熱をとってください。そして、低刺激の保湿液(敏感肌向け、薬用化粧品、温泉水化粧水など)をスプレーに移し替えて、頭皮全体にまんべんなく塗布し、保湿をすることをおすすめします。日焼けによるダメージの症状が酷い場合は、必ず、専門の医療機関で診てもらいましょう。
髪や頭皮だけでなくすべてのことに言えますが、私たちは寝ることによって、体に受けたダメージを「修復」します。良質な睡眠は、髪や頭皮のダメージを修復させるだけでなく、髪の成長にも大切です。それは、睡眠中に優位になる副交感神経が、髪に栄養を与える毛細血管の巡りに深く関わっているからです。これから寝苦しい夜が続く時期が到来しますが、より質のいい睡眠が得られるように日頃から気を配るることも大切です。
カモミールやペパーミントティー、そして、漢方では頭部の熱を鎮めてくれるとされる菊花茶など、眠りを誘うお茶を飲むというのもおすすめ。是非、試してみてください。
今年は「秋になると抜け毛が一気に増えた」と悲しむようなことがないように。髪と頭皮の紫外線対策をきちんとして、夏を乗り切りましょう。
※頭皮の炎症やかゆみなどがひどい場合は、すぐに専門医に診てもらいましょう。髪も頭皮も、早めの対策が肝心です。
株式会社光文社Copyright (C) Kobunsha Co., Ltd. All Rights Reserved.