akane
2018/11/16
超長寿時代の「身じまい」の作法
akane
2018/11/16
人生100年と言われるようになり、多くの高齢者が「ピンピンコロリ」を目指すが、その願いが叶うのは少数の幸運な人。
70代までは元気でも、80代、90代は、老いの坂を「ヨロヨロ」と生き、「ドタリ」と倒れ、誰かの世話になって生き続ける「ピンピン・ヨロヨロ・ドタリ」の高齢期が現実的だ。
しかし多くの高齢者が、「終活はバッチリ」「子どもの世話にはならない」と言いつつも、ドタリ後を「成りゆき任せ」で迎え、結局は「子どもに丸投げ」になってしまうのは、なぜなのか。
不安を先送りにせざるをえない制度的問題とは?
本書では、家族社会学者である著者が、90〜100歳間近の元気長寿者、70〜80代の高齢者、また介護や世話を担う家族に聞き取りを重ね、「ご長寿本」の著者のような財力や社会関係力を持たない普通の長寿者が、元気なうちにどのように「身じまい」の支度をすべきなのか、またそうした文化をいかに構築すべきかを明らかにする。
1943年熊本県生まれ。九州大学教育学部卒業、同大学大学院教育学研究科博士課程中途退学。京都精華大学教授、安田女子大学教授などを経て、2012年まで松山大学人文学部社会学科教授。専攻は社会学(家族社会学、福祉社会学)。父子家庭、不登校、ひきこもり、障害者・高齢者介護の問題などについて、一貫して現場の支援者たちと協働するかたちで研究を続けてきた。著書に『介護とジェンダー――男が看とる女が看とる』(家族社、1998年度山川菊栄賞受賞)、『介護問題の社会学』『家族の条件――豊かさのなかの孤独』(以上、岩波書店)、『父子家庭を生きる――男と親の間』(勁草書房)、『介護にんげん模様――少子高齢社会の「家族」を生きる』(朝日新聞社)、『高齢者とジェンダー――ひとりと家族のあいだ』(ひろしま女性学研究所)、『変わる家族と介護』(講談社現代新書)、『いま家族とは』(鶴見俊輔、浜田晋、徳永進との共著、岩波書店)など多数。
株式会社光文社Copyright (C) Kobunsha Co., Ltd. All Rights Reserved.