ryomiyagi
2020/05/07
宇宙の巨大なエンジンからの使者
ryomiyagi
2020/05/07
2017年9月23日の早朝、ある知らせが著者の携帯電話に届いた。
著者らが苦労の末に南極に建設した素粒子観測施設「アイスキューブ(IcuCube)」がニュートリノを捉えたという知らせだった。
それは、40億光年の彼方から、40億年の歳月をかけて南極点の氷河に突き刺さった宇宙からの使者だった――。
巨大なブラックホールをもつ、超高エネルギーのニュートリノを放出している銀河とは、いったいどんな天体なのか?
アイスキューブで中心的な役割を果たしてきた著者が、宇宙研究の新たな地平を切り拓く「高エネルギーニュートリノ天文学」と呼ばれるサイエンスの現場の息吹を伝える。
(よしだしげる) 1966年大阪市生まれ。東京・横浜・札幌育ち。宇宙物理学者。 千葉大学大学院理学研究院教授。千葉大学ハドロン宇宙国際研究センター長。 専門は高エネルギーニュートリノ天文学、宇宙線物理学。 ユタ大学高エネルギー天体物理学研究所研究員、東京大学宇宙線研究所助手を経て、現職。 従事した観測プロジェクトの場所は、山梨県北巨摩郡から始まり、ユタ州の砂漠ときて、 ついには南極点と、どんどん人里から離れていくが自身は都会型の人間だと思っている。 2014年、第5回戸塚洋二賞、 2019年、「超高エネルギー宇宙ニュートリノの発見」で第65回仁科記念賞を受賞。
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