「素敵ママ」になれない自分を否定し続けていた私が出会った処方箋
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「未就学児の子供3人の、怒涛のような育児に振り回され、心身ともにボロ雑巾のようになっていた」という、漫画家・エッセイストの安彦麻理絵さん。

 

「素敵ママ」と自分を比べて、「素敵」とは程遠い自分の有様を、常に否定し続けてきた安彦さんが、何とかそこからV字回復できたのは、「自分のブス性を肯定できたから」だそうである。

 

「己のブス性を見つめ直して、否定せずに思いっきり解放してみたら、すごーくラクになった。ラクになったばかりか、友達とお互いのブス性をさらし合ってみるとすごく楽しいということも発見した」(安彦さんの新著『ブス活、はじめました』より)

 

たとえ「ブス」な言動をとっていても、自分を否定しないこと。むしろ肯定してあげること。

 

これが安彦さんにとっての処方箋になった。

 

以下、『ブス活、はじめました』より、一部抜粋してお届けする。

 

……素敵ママ。

 

「子供がいとおしくて仕方ない」とか「感情にまかせて子供を怒ることはありません」「いつもしっかりと子供に向き合うように心がけています」などの、様々な素敵フレーズが巷の育児雑誌の誌面を賑わす。そして、オシャレな装いで満面の笑み。

 

それは私にとって、ある意味「毒」だ。

 

だから、育児ストレスでパンパンになっている時は、こんな素敵ママ満載の雑誌は、見ないにこしたことはない。そんな暴挙に出るのは、二日酔いの状態で、中華の満漢全席に挑むようなもの。

 

……とはいえ、ああそれなのに。分かっちゃいるのに、なぜかやってしまうんですね、これが。

 

思いっきり落ち込むであろうことが目に見えてるのに、そんな雑誌を書店で立ち読み。

 

そして「あああ、なんか自分ってダメじゃん」「アタシ、きのうとおんなじ服だよ」「今日は顔も洗ってねぇ」「子供に八つ当たりして怒鳴り散らした……」などと、思いっきり素敵ママの毒にやられて、その場でガックリ膝をつきたくなるわけです。

 

全くもって「愚か」です。

 

「だったら、最初から見なきゃいいじゃん」と周りからは呆れられてます。

 

だから、誰も同情なんかしてくれません。

 

でも別に素敵ママが悪いわけじゃないんです。それは分かってます。

 

要は「素敵ママと比べてしまう」自分が悪いんです。

 

<中略>

 

こういう自分の「ブスママ」っぷりを近所の人とか、保育園の先生とかに、ちょっとさらけ出してみたんです。

 

「ブスママっぷり」をさらすのって、なかなか勇気のいることです。

 

でも、さらしてみたら、案外世間は優しかった。

 

腹を割れたり、「ブス」をさらけ出せたりするのは、結局は自分を救うことにつながるのかな、と改めて思った次第です(しみじみ…‥‥)。

 

案外世間は優しかった。自分の「ブス性」を否定していたのは、自分だけだったのである。

 

かつての安彦さんに限らず、自分の「ブス性」を否定し、自分の中にだけ閉じ込めている人は多いだろう。

 

でも、「ブス性」を否定せずに解放することこそが、ラクに生きるヒントになるのではないだろうか。

 

『ブス活、はじめました』はそんなことを私たちに教えてくれる本である。

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ブス活、はじめました。

ブス活、はじめました。

安彦麻理絵

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