akane
2019/04/29
akane
2019/04/29
「自分はひとりで、レストランでランチなんてしたことがない。本当にそんなことができるのだろうか?」と高いハードルを感じている方がおられるかもしれません。
それは決しておかしな感じ方ではありません。
「ひとり」でいるということは、実は「慣れ」の要素も大きいからです。
「群れる」のは思春期までの課題だということをお話ししましたが、大人になっていくということは、新しい生き方に一つ一つ慣れていくということ。
初めてビジネススーツを着る、初めて大人っぽい言葉遣いで仕事をする、初めて名刺を持つ、初めて他人のミスのために頭を下げて謝る……というように、大人になって初めて経験することも多いでしょう。
最初は自分にとってちぐはぐに感じられる体験でも、慣れていくうちに当然の日常になっていきます。
「ひとりで行動する」というのも、大人になるに当たって慣れる必要があることの一つだと考えるとわかりやすいと思います。最初はドキドキしていてもかまわないのです。
周りの目が気になるのも当然です。
でも、何回か体験しているうちに、だんだんとそれが当たり前のことになっていきます。
できれば、ドキドキしながら「ひとりで行動する」プロセスも「初々しい」と楽しんでしまいましょう。
ちなみに、映画のヒーローやヒロインは「ひとり」で行動していても格好よく見えます。
また、日常生活で見かける人であっても、「ひとりで堂々としている」「さりげなくひとりでいられる」と、むしろ憧れを感じさせる人もいます。
ファッショナブルな人が、「ひとり」でレストランで食事をとり、堂々と店員と話している姿などを見ると、「格好いい」と思うことが多いですよね。
まさに、自分の人生を落ち着いて楽しんでいる感じがするからだと思います。
「ひとりで行動する」というのはあくまでも行動の形態であって、それ自体が惨めなものではないのです。
思春期流の「ひとりでいる人は寂しい人」という意味づけさえ乗せなければ、「ひとり」で行動することはむしろ自由を提供してくれるものだと言えるでしょう。そして、自分の行動に責任を持つ大人の象徴であるとも言えるのです。
年齢的にはとっくに大人になった方でも、まだまだ「ひとりでいる人は寂しい人」という概念に縛られている人は、「本当の大人」になるための「孤独力」作りに真剣に取り組んだことがないだけなのだと思います。
小さなチャレンジを積み重ねて、それぞれが「ひとりでも楽しい、一緒でも楽しい」人生を送っていけるようになるとよいですね。
※この記事は、『続「他人の目」が気になる人へ』(水島広子)をもとに作られました。
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