朝食は体の中で用意されている!――「朝ご飯を食べなければ太る」のウソ
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◆朝食は糖新生で用意されている

 

一般的な考え方では、朝食を抜くと体重増加につながると信じられている。

 

しかし、この考え方は科学的研究にほとんど支持されていない。おそらく、多くの人が、朝食を食べることで売り上げが伸びる企業の戦略に乗せられているだけだと考える。

 

また、朝食を抜くと、昼食摂取による血糖値の上昇が大きいと言う人もいるが、そもそも糖質制限をしていれば血糖値の上昇は少ないのである。

 

真実は確かめようがないが、おそらくは狩猟採集生活では1日1食であり、多くても2食であったと考えられる。

 

イギリスで1日2食になったのが16世紀であり、しかもそれは裕福な人だけであったそうだ。1日3食の習慣は、欧米では19世紀になってからだと言われている。

 

日本でも江戸時代までは1日2食だ。

 

人類は進化の過程で、脂質とケトン体(脂肪が分解されてできる物質)をエネルギーにしてきた。

 

副腎皮質ホルモンの中のコルチゾールというホルモンの主な働きの一つは、「糖新生」(人や動物がグルカゴンなどの分泌をシグナルとして、乳酸やアミノ酸、脂質からできるグリセロールなど糖質以外の物質からブドウ糖を合成すること)の促進であるが、血中コルチゾール値は、早朝に高く、夜に低くなるという日内変動のリズムがある。

 

蓄えたエネルギーを効率よく使うために、ホルモンの日内変動を身につけたのだろう。

 

人間の体は朝、明るくなる頃に、コルチゾールなどを分泌して糖新生を増加させる。それによって、活動するための血糖値を確保するのである。

 

そう考えると、わざわざ朝食を摂る必要はないはずだ。体の中ですでに朝食が用意され、その朝食を食べた状態で目を覚ますからである。

 

狩猟採集生活では、朝になってママが温かいご飯と味噌汁、焼きたてのパンと温かいスープなどを用意してくれているわけではなく、何も食べずにその日の食事を確保しに歩き回るのである。それができるように進化してきているのである。

 

1日に摂る食事の回数を増やせば増やすほど、人間に備わった代謝のメカニズムを狂わし、インスリン分泌量や、インスリンの追加分泌をしている時間を増やしてしまう。体が悲鳴をあげるのも当たり前である。

 

食事は3回でも多いかもしれないのに、間食なんてもってのほかである。

 

間食をしないと空腹感が辛いと思うのは、糖質過剰摂取の影響でインスリンが大量に分泌され、それにより高血糖から血糖値が低下し、ときに低血糖に移行するからである。

 

糖質を摂らず、タンパク質と脂質をしっかり摂れば、空腹感は非常に少なくなる。

 

…………

 

以上、『「糖質過剰」症候群――あらゆる病に共通する原因』(清水泰行著、光文社新書刊)から抜粋・引用して構成しました。

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「糖質過剰」症候群

「糖質過剰」症候群あらゆる病に共通する原因

清水泰行(しみずやすゆき)

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