私達はなぜ、おしゃれに疲れてしまったのか? スタイリスト・地曳いく子の『おしゃれは7、8割でいい』
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真面目な私達は、「やめられない」

 

生活や人生に疲れているから、以前は好きで楽しんでいたおしゃれも、負担にしか感じられない。それが、今の時代のおしゃれ感なのではないでしょうか。

 

義務教育をきっちり受けてきた真面目な私たちは、「これをしなさい」と言われたことをするのは得意ですが、自分の今の状況に合わせて「これはいらないからやめよう」「この荷物は重いからおろそう」と、自分から手放すのが苦手です。
でも、自分自身にちょっと問いかけてみてください。

 

「疲れているときに気力だけで頑張って、うまくいったことはある?」と。

 

もしかしたら、

 

「春物の服を買わなくちゃ」

 

「セレモニースーツを用意しなくちゃ」

 

「40代になったら恥ずかしくないジュエリーを手に入れなくちゃ」

 

「いつもパンツだけど、スカートもはけるようにならなくちゃ」

 

と、「~しなくちゃ」思考で義務のように感じていたことは、

 

……しなくていいことかもしれませんよね?

 

トレンドでさえ「責任感、義務感、同調圧力」

 

そもそもおしゃれって、“今”の気分を取り入れるためにトレンドアイテムを身につけたり、シーズンごとにお買い物計画を練って欲しかったアイテムを手に入れたり、新しいブランドやショップをのぞいてみたり……と、もっと自由で、楽しくて、ワクワクするものだったはず。

 

それが今やトレンドでさえも、「今はこういう格好をしなくちゃ」「ネイルくらいしなくちゃ恥ずかしい」。それはもう、「ワクワク感」ではなく、「義務感」や「責任感」ですね。

 

あらゆる方面から同調圧によってじわじわと追い詰められてしまうのが今という時代なのかもしれません。

 

大事なのは「自分自身はどう生きるか」ということ

 

まあ、80年代や90年代のように、みんながお金を持って、ブランドものを買いまくったり、セールで服を大量に買いあさったりというのも、今考えれば同調圧力だったかもしれないのですが、大事なのは、いつの時代にもある、そういった社会の大きな流れの中で自分自身はどう生きるか、ということ。

 

やたらと周りに合わせてばかりではやっぱり疲れてしまいます。

 

かといって、「今の時代の風潮はキライ。私は同調圧なんて受けたくない。だから、私は私の道を行くわ!」と、時代に逆らって生きるのも、それはそれでけっこうしんどいもの。

 

だから、まずやるべきことは、今がどういう時代なのかを知ること。

 

知っておけば、適度な距離も取れますし、対処法もあります。

 

「今はこれを着なきゃいけない」という呪縛や、血まなこになって正解を探すことからも、解放されやすくなるのでは……と思うのです。

 

※この記事は『おしゃれは7、8割でいい』(地曳いく子・著)より、一部を抜粋・再編集して作成しています。

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おしゃれは7、8割でいい

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地曳いく子(じびき・いくこ)

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