キティちゃんがリサとガスパールに渡したプレゼントとは?
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ryomiyagi

2020/08/11

フランス・パリを舞台に、リサとガスパールが日本から訪ねてきたキティちゃんをエスコートする『リサとガスパール キティちゃんをパリでおむかえ』。

 

表紙には、リサとガスパール、それからキティちゃんがこちらをむいている。さすが作者はわかっておられる!世界を代表する人気絵本「リサとガスパール」と「ハローキティ」の夢のコラボレーション。この三人の組み合わせは最強だ。

 

リサとガスパールは、ウサギでも犬でもない不思議でかわいらしいキャラクター。真っ白な体に映える赤いマフラーを巻いた女の子のリサと、黒い体に青いマフラーを巻いた男の子のガスパールは仲の良い友人同士だ。

 

 

リサとガスパール、その家族たちの活躍はアニメーション化もされていて、世界80ヵ国以上で放送されている。生き生きとした彼らの姿は世代と国境を超えて、幅広い人たちに愛されているわけだが、かくいう私もファンの一人。

 

ちなみにリサ一家は、パリの有名な総合文化施設「ポンピドゥー・センター」のパイプの中に住んでいる。ガスパールもパリの住人だ。今回のキティちゃんのパリ旅行には、うってつけの相手だろう。

 

物語は、リサとガスパールがキティちゃんへのプレゼントを相談する場面から始まる。アイスクリームにしようか、それとも子犬にするか。しかし、どちらもママに却下されてしまう。いろいろと悩んだ末、リサとガスパールは友達の印にマフラーを贈ることにする。

 

地下鉄に乗って街へと繰り出した三人。ルーブル美術館へ行き、セーヌ川を見て、ノートルダム大聖堂の前で写真を撮り、リュクサンブール公園でテニスを楽しむ。カフェでテーブルを囲み、砂糖たっぷりのホットチョコレートを飲んでいる場面が印象的だ。三人はどこへ行っても元気いっぱい、自由でちょっとはちゃめちゃだ。

 

 

文章はパリ生まれの絵本作家アン・グットマン。イラストを担当するのは、夫のゲオルグ・ハレンスレーベン。

 

リサとガスパールの絵本は毎回、やわらかな質感の絵と陽気な文章で読者を楽しませてくれるけれど、キティちゃんがリサとガスパールの世界に入ったことで、これまでの絵本とはまたちがった雰囲気に仕上がっている。絵本の終わりのほうで、別れ際にキティちゃんが二人に贈ったプレゼントもまたいい。

 

フランスに住むキティちゃん好きの友人にもさっそく送ることに決めた。きっと喜んでくれるだろう。

 

リサとガスパール キティちゃんをパリでおむかえ
アン・グットマン/著

馬場紀衣(ばばいおり)

馬場紀衣(ばばいおり)

文筆家。ライター。東京都出身。4歳からバレエを習い始め、12歳で単身留学。国内外の大学で哲学、心理学、宗教学といった学問を横断し、帰国。現在は、本やアートを題材にしたコラムやレビューを執筆している。舞踊、演劇、すべての身体表現を愛するライターでもある。
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