<アラサー処女妻、妊活はじめました(1)>どうしてみんなセックスできるの?
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ryomiyagi

2021/03/01

2月25日発売の実話コミックエッセイ『奥さまは処女』。処女のまま26歳で結婚し、処女のまま夫婦間のセックスレスに突入した「うなぎ」さんによるコラムを、本書より抜粋してお届けします。

 

 

自分には、世間一般の夫婦が、一体全体どういう手順を踏んで子どもを授かっているのか、見当がつかないのです。
「妊活を始めるなら早いほうがいい」、「子どもがほしいなら病院で検査したほうがいい」と家族や周りの友人は言うんですけど。

 

「まだ処女の場合は、どうしたらいい?」なんて絶対に言えなくて。

 

口が裂けても言えなくて。

 

あ、いや、実際に口が裂けそうになったら怖いし痛いので、洗いざらい話しちゃうとは思うんですけど。
カミングアウトついでに、職場の機密文書の内容だってペラペラ話しちゃうと思いますし、上司の岡田さん(実名)の秘密だって暴露したっていいです。
それくらいの意志の弱さではあるんですけど。
普通の状況下では、まだ自分が処女だなんて口が裂けない限り言えないのです。

 

誰かに相談したとしても、「どうにか頑張って入れろよ」と答えるしかないと思いますし。

 

でもって、「そんなことにつまずいていたら、出産の痛みに耐えられないよ」というおまけつきに決まっているんです。
さらに、「子育てのほうがもっと大変なんだからね!」という説教に発展すると思うんです。
これ、だいたいセットでついてくるんです。
頼んでないのに無料でついてきます。
で、締めの言葉は「甘ったれたこと言ってんじゃねーよ」でしょ?

 

そう、だから言いたくないんです……。
脱処女をもくろみ、旅行を計画して、意気込みは十分なはずなんです。
それでも、本番になるとうまくいかないのです。
入らないのです。

 

どうも試合中盤での粘りが足りないみたいです。

 

もっと粘り強く地道なアプローチを続けていけば達成できそうな気がするんですけど。
ステップ・バイ・ステップで、裸のまま突っ込んでいただければ、いけそうな気もするんですけど。

 

いざ現場の最前線に立たされると、「今日はもういいや。ここまで!」という気持ちになってしまうのです。
痛みに負け、場の空気に耐えられなくなった司令塔の処女が、激しくディフェンスをしながら試合終了の笛を鳴らしてしまうのです。

 

「入らない、入らない」と嘆いてばかりいると、ゴロさん(※パートナーの愛称)が装備している下半身のモノが、ウルトラギガモンスター級に大きいから入らないのでは?と推測する方が多いと思います。

 

しかし、決してそんなことはないのです。
そんなことないって否定するのもどうかと思いますが、私の日々の研究(ネットサーフィン)によると、ゴロさんがお持ちのモノは、日本人の標準的なサイズ感だと思われます。

 

でも、面倒な要望をするクライアントに対して、「上の者に確認してまいります……」と言ってその場をいったん立ち去り、上司に判断を仰ぐように、私も、私の「下の者」に確認させていただかないと、ちょっと……って後ずさりするくらいには、ゴロさんの下のモノは、私にとっては大きいと感じています。

 

平素は格別のお引き立てを賜っているからって、簡単にお通しできる相手ではないと思うのです。

 

それを、よくもまあ、皆さん簡単にやってくれるわね?
どうしてできるの?と疑問しかわきません。

 

とにかく、非常にアクセスしづらい状態が続いています。
時間をおいてから再度お試しくださいって、どこかで見たことのあるエラーメッセージが私の下の者から発せられるのです。
私の現状のシステムでは力不足のようです。

 

こうして夜のアクセスは持ち越しを積み重ね続けていったのです。

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奥さまは処女

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うなぎ(原作) 梅林イクミ(漫画)

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