明日を創っていく血肉になる知識を噛むように読んだ『愚者が訊く』

RUKA Rǭkà Creative Director/Designer/Therapist /Instructor

『愚者が訊く』双葉社
倉本聰、林原博光/著

 

昨年 雨降る冷たい初夏

旅先で倉本聰さんの本読みました。

その本は読みたくとも未だ恐くてできていません。

 

私事ですが、秋に所属していた会社が潰れました。

人が離れていった。

 

そんな時に都内の書店で目に留まりました。

なぜだか縁を感じて。あの時へタイムトリップしています。

 

 

『愚者が訊く』は御存じの方も多いかと思います。

倉本聰さん、林原さんご自身らを愚者とし、賢者として登場する方々と対談形式で進んでいきます。メディアで決して語られることのない事実や見解が語られています。

これは2018年12月出版 2014年刊行の加筆再編集版です。

 

読んだことのある方も初めて目にする方も、この本に紡がれている言葉の核へ

どうか今一度、触れてほしいのです。

 

もうすぐ3月11日。今年もただ祈ることしかできない。

人は痛みを忘れます。目を背け生きていたい。

反して現実は刻一刻と悪い方へ進んでいる。

そんな自分はふがいなく東京の街は今日も変わらず必要のないものを作っています。

書評を書くのは半年ぶりです。どうか 読んでほしい。

 

私はセラピストです。

人の心身を調律することを生業としています。

肌に触れ会話をして、生き生きと美しくあることを目的としたセラピーです。

変わりゆく渋谷のど真ん中にいると、この国の中央で闘っている方々が訪ねてこられます。

 

 

だけど、この頃は

 

無力を感じます。

人の心は脆い。

 

人はなぜ醜くなるのでしょう?

人はなぜ生きるのがしんどくなるでしょう?

 

———————— 絶望を感じる

 

生まれただけ 生きているだけ

元気です と言えるだけで災害時にはいいはずです。

だったら今もそれで。果てしない欲をコントロールできる人でありたい。

 

身分や差別、金や権力に負けたくない。

そんなの何にも関係ないと笑っていたい。

 

だから だれも見ていない明日のことを話します。

だから 未来をだれかと創りたい。

だから まっすぐ本質を見つめています。

 

顔をあげる

唯一の方法だと思います。

 

 

地を天を信用できればきっとどうにかなる。

空が明るいとうれしい 雪が降りてくるだけでいい

現実は絶望的だが明日はいいと信じるために知性が必要なのです。

 

この国にいるのなら理解しておくべきこと

 

池上彰氏(ジャーナリスト)へ “伝えるとは?”
大島慶一郎氏(海洋学者)へ “極地の海、温暖化の本質”
山田英生氏(養蜂家)へ “ミツバチのシステムと環境汚染”
松井孝典氏(理学博士)へ “宇宙科学からみる環境問題”
山極寿一氏(人類学・霊長類学者)へ “サルからヒトへ 進化とは?”
小出裕章氏(原子核工学者)へ “原発の嘘と日本人の無知と無視”
山下惣一氏 (農民作家)へ “農業の真実、暮らせない未来”

 

このようなことが書かれています。

どの章も改めて知っているわたしを無くし、噛むように読んでみてください。

 

私たちは何を知っていて何を知らないのか?

私たちは何を気づいていて表情を失ったのか?

 

心身を健全に生きている

だれかの哀しみに心が痛む

 

智慧が必要です。

透き通る瞳で見つめて

明日を創っていく

血肉になる知識が必要です。

 

生きる術とは頭と身体を使い環境に適応する

人であるには心の眼を逸らさぬことだと思う。

 

だれかを助けられるそんな強さを一緒に。

わたしも恐がりながら進んでいます。

 

『愚者が訊く』双葉社
倉本聰、林原博光/著

この記事を書いた人

RUKA

-ruka-

Rǭkà Creative Director/Designer/Therapist /Instructor

人間の美と心、健全な香りの調律をするサロン『Rǭkà』を主宰。表情や癖から心身の不和を分析し、それをもとにフェイシャルやボディマッサージ。そして数種類のメディカル精油で、いまのその人に心と体に必要なONLY OILもブレンド。自然摂理と人間を洞察し、セラピーを施す空間です。日々、感じ取ったことを詞・ペイント・写真などで表現する作品も作っています。好きな言葉 は「不自然に対する嫌悪感」 「有難う」「共生」。北九州出身。


・Rǭkàホームページ:http://roka-u.tilda.ws/
・Blog:https://koob-akur.blogspot.jp

関連記事

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitterで「本がすき」を