伝統のミステリーをはじめ、現代小説、時代小説、さらには官能小説まで、さまざまなジャンルの小説やエッセイをお届けしています。「本がすき。」のコーナーでは光文社の新刊を中心に、インタビュー、エッセイ、書評などを掲載。読書ガイドとしてもぜひお読みください。(※一部書評記事を、当サイトでも特別掲載いたします)
2019/07/04
『偶然の聖地』講談社 宮内悠介/著 宮内悠介『偶然の聖地』は、不思議な小説だ。地図にはなく検索しても出てこないイシュクト山。行く道が出現するかどうかは運次第だが、登れば意識変容を起こすと伝えられている。それ […]
2019/07/03
『もののふの国』中央公論新社 天野純希/著 〈源平の巻〉〈南北朝の巻〉〈戦国の巻〉〈幕末維新の巻〉の四部からなる本書の〈南北朝の巻〉の中に次のようなくだりがある。 それは楠木正成(まさしげ)に […]
2019/07/02
『同潤会代官山アパートメント』新潮社 三上延/著 自分の住んできた家々や祖父母の家は、確かにそこには時代が表れていたなと懐かしく思い出した。三上延の新刊『同潤会代官山アパートメント』は、そんなふうに自分の歴 […]
2019/06/14
『三つ編み』早川書房 レティシア・コロンバニ/著 齋藤可津子/訳 インド北部の村に住む不可触民のスミタ、イタリアのパレルモで家族経営の毛髪加工工房で働くジュリア、カナダ・モントリオールのエリート弁護士サラ。 […]
2019/06/07
『偽りの春神倉駅前交番狩野雷太の推理』KADOKAWA 降田天/著 降田天(ふるたてん)はプロット担当の萩野瑛(はぎのえい)と執筆担当の鮎川颯(あゆかわそう)からなる女性コンビ作家だ。別名義でライトノベルを […]
2019/06/03
『鬼憑き十兵衛』新潮社 大塚已愛/著 物語の始まりは寛永一二年十月。三代将軍徳川家光の時代で、江戸幕府の政治的機構が整ったころだ。熊本の、昼間でも碌に人の通わぬ山中に一人の少年を追う屈強な男たちの姿があった […]
2019/05/15
『夜の塩』徳間書店 山口恵以子/著 山口恵以子が、いかにも松本清張賞受賞作家らしい作品をものした。それがこの『夜の塩』である。 母子家庭ながら、キリスト教系の女子学校で英語の教鞭をとる篠田十希 […]
2019/05/14
『ハムレット殺人事件』東京創元社 芦原すなお/著 『ハムレット』といえばシェイクスピアの四大悲劇の一つである。登場人物が次々に死ぬ物語に様々な解釈がされてきた名作だ。芦原すなお『ハムレット殺人事件』では、大 […]
2019/05/08
『マジカルグランマ』朝日新聞出版 柚木麻子/著 「マジカル」ときけば「魔法のような」「魅惑的な」といった日本語訳が浮かぶ。だから柚木麻子の新作のタイトルが『マジカルグランマ』と知った時は、「魅力的なおばあち […]
2019/03/29
『トリニティ』新潮社 窪美澄/著 一九六〇年代から八〇年代、雑誌カルチャー華やかなりし時代に、その人気を牽引した雑誌を次々と創刊した潮汐(ちようせき)出版。のちにログストアと社名変更した出版社で働いていた三 […]
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