伝統のミステリーをはじめ、現代小説、時代小説、さらには官能小説まで、さまざまなジャンルの小説やエッセイをお届けしています。「本がすき。」のコーナーでは光文社の新刊を中心に、インタビュー、エッセイ、書評などを掲載。読書ガイドとしてもぜひお読みください。(※一部書評記事を、当サイトでも特別掲載いたします)
2020/01/24
『不死鬼 源平妖乱』祥伝社 武内 涼/著 私はこの一巻を読みはじめて、思わず身体が震えるほどの興奮をおぼえた。「香は殺生鬼が嫌う匂いも出す。人を殺し、大量の血を啜る殺生鬼はーーある一線を越えると、生臭さをこ […]
2020/01/21
『夜 は お し ま い』講談社 島本理生/著 なぜ、そんなに生きづらい方向ばかり選んでしまうのか。島本理生の『夜 は お し ま い』に登場する女性たちの姿にそう思わずにはいられないが、でもどこかで彼女た […]
2020/01/17
『変半身』筑摩書房 村田沙耶香/著 この島には昔、ポーポー様という神様、ポピ原人という種族がいたとする伝説があった。島民みんなが参加するポーポー祭りが毎年行われ、最終日の夜には秘祭「モドリ」が催される。 & […]
2019/12/05
『スワン』KADOKAWA 呉勝浩/著 襟元から背中に得体の知れない何かが入り込んだような、ぞわぞわとした嫌な感じ。どこに連れて行かれるのか、何が待ち構えているのか判然としない不安感。無差別テロとその事件後 […]
2019/12/04
『まほり』KADOKAWA 高田大介/著 「図書館の魔女」シリーズで大人気を得た謎の多い著者、高田大介が新刊を出した。それもこのシリーズではなく書き下ろしの民俗学ミステリだ。専門の言語学の知識を縦に横に張り […]
2019/12/03
『キム・ヘジン』彩流社 生田美保/訳 読みながら浮かんでいたイメージは、レオス・カラックス監督の映画『ポンヌフの恋人』。天涯孤独のホームレスの青年と、失明の危機にある絶望から放浪中の女子画学生が織りなすボー […]
2019/11/15
『血染めの旅籠 月影兵庫ミステリ傑作選』東京創元社 南條範夫/著・末國善己/編 連作時代小説の中でもミステリに特化して編集されたこの傑作選シリーズ。今回は懐かしや〈月影兵庫〉である。南條範夫は『残酷物語』『 […]
2019/11/11
『土に贖う』集英社 河崎秋子/著 北海道で羊飼いをして暮らし、自然と人々を描く河崎秋子。今年は『肉弾』で大藪春彦賞を受賞し、注目度が上がっている。 そんな彼女の新作『土に贖(あがな)う』は、明 […]
2019/11/06
『定価のない本』東京創元社 門井慶喜/著 古書を扱ったミステリは数々あれど、その中で本書は、一、二を争う傑作である。 作品の舞台は、いわずと知れた神田神保町(かんだじんぼうちよう)。ようやく活 […]
2019/11/05
『熱源』文藝春秋 川越宗一/著 明治維新以降、和人たちの同化の圧力にさらされた樺太の地で生まれた、アイヌたちと一人のポーランド人の絆。少年期を北海道で過ごし、20代で樺太に戻り指導者となったヤヨマネクフ。 […]
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